アップル、ＡＩインフラ構築でエヌビディアの半導体に依存せず

7月２９日、米アップルは新たな人工知能（ＡＩ）ソフトウエアインフラを構築する上で、ＡＩ向け半導体最大手エヌビディアの半導体ではなく、アルファベット傘下グーグルのクラウドインフラに依存していることが、公表されたアップルの調査資料で明らかになった。写真はアップルのパリの店舗で３月撮影（２０２４年　ロイター/Gonzalo Fuentes）

Max A. Cherney

[サンフランシスコ ２９日 ロイター] - 米アップルは新たな人工知能（ＡＩ）ソフトウエアインフラを構築する上で、ＡＩ向け半導体最大手エヌビディアの半導体ではなく、アルファベット傘下グーグルのクラウドインフラに依存していることが、２９日公表されたアップルの調査資料で明らかになった。

調査資料は、アップルがエヌビディアの半導体を全く利用していないとは明言していないが、ＡＩツールのソフトウエアとハードウエアのインフラに関する説明には、エヌビディアのハードウエアに関する記述はなかった。

調査資料によると、アップルはＡＩモデルを訓練するために、グーグルの「テンソル・プロセッシング・ユニット（ＴＰＵ）」と呼ばれる２種類のチップを利用している。ｉＰｈｏｎｅなどのデバイスで動作するＡＩモデルを構築するためにアップルはＴＰＵｖ５ｐチップを、サーバーＡＩモデルではＴＰＵｖ４プロセッサーを利用した。

エヌビディアはＴＰＵを設計していない。同社はＡＩ向け半導体で画像処理半導体（ＧＰＵ）に力を入れている。

エヌビディアは半導体やシステムを製品として顧客に販売しているが、グーグルは同社のクラウドプラットフォームを通じて顧客がＴＰＵを利用できるようにしている。

アップルのエンジニアは、グーグルのチップを使って調査資料で言及した２つのモデルよりももっと洗練されたモデルを開発することが可能だとしている。

アップルは今週、ベータ版ユーザーにＡＩ機能「アップルインテリジェンス」を提供する。