野村HD、4―6月期の純利益3倍 インフレが投資意欲後押し
ロイター / 2024年7月30日 17時31分
7月30日、野村ホールディングスが発表した2024年4─6月期(第1・四半期)の連結純利益(米国会計基準)は、前年同期比3倍の689億円だった。写真は都内で2015年12月撮影(2024年 ロイター/Toru Hanai)
Miho Uranaka
[東京 30日 ロイター] - 野村ホールディングスが30日に発表した2024年4─6月期(24年度第1・四半期)の連結純利益(米国会計基準)は、前年同期比3倍の689億円だった。物価が上昇する中で個人向け資産管理が好調なほか、法人向け事業の回復も利益を押し上げた。主要3部門合計の税前利益は5四半期連続で増加した。
会見した北村巧財務統括責任者(CFO)は、顧客の投資マインドが変化していると説明。「インフレをいかにマネージするか。お客様からの相談も増えている」と語った。個人の資産管理を担うウェルス・マネジメント部門、法人向けのホールセール部門とも、7月の収益は4─6月期を上回って推移しているという。
投資・運用を手掛けるインベストメント・マネジメント部門を含めた主要3部門合計の第1・四半期税前利益は、前年同期比3倍の866億円だった。
ウェルス・マネジメント部門はコンサルティングを軸とした営業モデルへの転換が進み、安定収益であるストック収入が過去最高を更新。株式相場がボックス圏で推移するなどしたが、税前利益は9年ぶりの高水準となった。株式投資信託の預かり資産やファンドラップ契約などのストック資産も順調に伸ばした。
ホールセール部門は、税前利益が前年同期比で10倍に増えた。季節的に弱い期ながら前四半期比でも若干の増益を確保した。機関投資家を中心に株式などを販売する事業は、債券や為替を中心とするフィクスト・インカムで米州証券化商品が大幅増収。社債関連のクレジット商品も高利回り商品中心に日本が好調だった。堅調な相場を背景に株式の売買も伸びるなど、収益の多様化が進んでいるという。
ホールセール部門内の投資銀行事業は、好調だった前四半期比で減収だったが、アドバイザリー収益が比較可能な17年3月期以降で過去最高の四半期収益となった。足元は国内企業による海外企業のM&A(企業の合併・買収)などの案件が増加。政策保有株の売却も今後数年間続くとみている。
25年3月期の業績予想は開示していないが、5月に開いたインベスター・デーで、今期の経営目標として主要3部門の税前利益を2880億円と発表している。IBESがまとめたアナリスト3人による今期の純利益予想は2385億円。
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