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インタビュー:為替介入判断「国際合意の中で」、無秩序なら選択肢=三村財務官

ロイター / 2024年7月31日 0時41分

三村淳財務官は31日までにロイターのインタビューに応じ、為替介入の判断は「国際合意の枠組みの中でやっていく」と述べ、一方的で無秩序な動きへの選択肢として排除しない考えを示した。為替市場の動きは「絶え間なく注視している」と語った。写真は7月30日、ロイターのインタビューに応じる三村淳財務官(2024年 ロイター/Issei Kato)

Takaya Yamaguchi Makiko Yamazaki

[東京 31日 ロイター] - 三村淳財務官は31日までにロイターのインタビューに応じ、為替介入の判断は「国際合意の枠組みの中でやっていく」と述べ、一方的で無秩序な動きへの選択肢として排除しない考えを示した。為替市場の動きは「絶え間なく注視している」と語った。

三村氏は31日付で財務官に就いた。急速に進んだ円安に、円買い介入で対抗した神田真人前財務官の後任として日本の通貨政策を指揮する。

三村財務官は、過度な為替変動や無秩序な動きが「経済や金融の安定に悪影響を及ぼし得る」とする主要7カ国(G7)や20カ国・地域(G20)の合意に言及。「何年もの間、国際的に共有されている為替政策についての考え方」とし、「日本として、それに沿って行動していく」と述べた。

為替の動向次第で「介入することも含めて許されているというのが国際的な理解。それ以上でもそれ以下でもなく、その枠組みの中でやっていく」と語った。「財務官が代わるから、政策が大きく変わるということではない」との認識も示した。

長引くデフレなど「複合的な要因によってここ数年、実効為替レートが円安方向に向かっていること自体は明らか」としつつ、足元の為替水準や今後の見通しには明言を避けた。市場への影響に配慮し、「コメントしない」とした。

市場との対話手法については「不必要な憶測や不透明感を与えるのは良くない。非常に大事」とした。一方で「何を、どのタイミングで伝えるのか、場合によって今は伝えない」などの選択肢があると説明。あえて何も発信せず、市場の疑心暗鬼を誘う戦略にも理解を示した。

<G20存立に意義>

三村氏は1989年に大蔵省(当時)に入省し、フランス大使館書記官や主計官補佐を経て、2004年から金融庁へ出向した。15年に財務省に戻った後は副財務官などを歴任、21年に国際局長に就いた。

08年のリーマン危機時には、97年のアジア通貨危機を受けて設立された金融安定化フォーラム(FSF)のメンバーをG20に広げ、現在の金融安定理事会(FSB)に改組。危機の連鎖回避に尽力した。

ロシアによるウクライナ侵略が長期化し、存立意義が問われるG20の枠組みについて、三村氏は「一堂に会する場があること自体に意味がある」との見方を示した。

また、今後の経済安全保障政策について、財務省が投資審査などで得られる膨大なデータを「能動的、主体的に分析することで経済安全保障上のインテリジェンスに組織的に貢献する」との選択肢も示した。

※写真を差し替えて再送しました。

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