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ハリス氏、移民流入に厳格対応へ イスラエルへの兵器供与支持

ロイター / 2024年8月30日 13時23分

 8月29日、米民主党の大統領候補ハリス副大統領(写真)は、CNNのインタビューで、パレスチナ自治区ガザの停戦と人質解放の合意が必要だと述べた。イスラエルへの支持を改めて表明する一方、あまりに多くのパレスチナ人が犠牲になっているとの立場も維持した。写真は米ジョージア州 で撮影(2024 ロイター/Elizabeth Frantz)

Andrea Shalal Steve Holland Stephanie Kelly

[サバンナ(米ジョージア州)/ワシントン 29日 ロイター] - 米民主党の大統領候補ハリス副大統領はCNNのインタビューで、南部国境からの移民流入に厳しい対応を取ると表明したほか、イスラエルへの兵器供与を控えることはしないと述べた。

党大統領候補に指名されてから大手報道機関のインタビューに応じるのは初めて。

「われわれには不法に国境を越える人々に対処する法律がある」として、厳格に執行していく姿勢を示した。

また、バイデン米大統領のイスラエルに対する強い支持を引き継ぐ意向を表明。イスラエルへの兵器供与を見直すべきだという一部党内の要求を拒否した。

ハリス氏は、強いイスラエルを支持するとしつつ、パレスチナ自治区ガザの停戦と人質解放に向け「合意を成立させなければならない」と述べた。

TVインタビューのような台本のない場ではそれほど洗練された受け答えができないのではないかとの見方もあったが、CNNキャスターのダナ・バッシュ氏とのこの日のインタビューでは大きなミスは見られなかった。

<「閣僚に共和党員」>

ハリス氏は自身が選挙に勝てば共和党員を閣僚に加えたいとも表明。「重要な決定がなされる際に異なる見解や経験を持つ人々が同じテーブルにいることは重要だと思う。閣僚に共和党員を加えることは米国民にとって有益だろう」と語った。

また、自身とバイデン大統領のインフレ対応を擁護。コロナ禍に見舞われ、共和党の大統領候補トランプ前大統領が対応を誤った経済をバイデン政権は受け継ぐことになったと指摘した。

その上で、物価を引き下げるために多くの取り組みを進めたが、「物価は依然として高過ぎる」との認識を示した。

バイデン大統領の政策に抗議してきた「アンコミティド・ナショナル・ムーブメント」の共同設立者アッバス・アラウィエ氏は、ガザに関するハリス氏の発言に不満を表明。「もし副大統領が停戦に関心があるのなら、兵器供与の即時停止を支持しなければならない」と語った。

テキサス大学オースティン校のジェレミ・スリ教授(歴史学・公共問題学)は、ハリス氏が知識豊富で合意形成を重視する人物のように思えたと評価しつつ、大統領就任初日に何をするかについて「もっと具体的で詳しい話」をすべきだったと指摘した。

<フラッキング禁止せず>

ハリス氏は2020年の大統領選に名乗りを上げてから、先月にバイデン大統領に後継指名されるまで、いくつかの問題で一段と中道寄りの姿勢を示してきた。

南部国境沿いの移民に対する姿勢を厳しくしたほか、激戦のペンシルベニア州で多くの人々を雇用しているエネルギー生産方法フラッキング(水圧破砕法を使ったシェールガス・石油の開発)については、大統領に選出されても禁止しない意向を示した。

政策の転換について質問されるとハリス氏は「私の価値観は変わっていない」と答えた。

また、ハリス氏が黒人なのかどうかを疑問視したトランプ氏のコメントを「同じような古い脚本」と一蹴。「次の質問をどうぞ」と述べ、取り合わなかった。

一方、トランプ氏は自身のソーシャルメディア「トゥルース・ソーシャル」を通じてハリス氏のインタビューに反応。「カマラ・ハリス同志と討論し、彼女が詐欺師であることを暴くのがとても楽しみだ」と投稿した。

トランプ氏はハリス氏がマルクス主義者であるとする虚偽主張を繰り返している。

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