台湾国防省、中国は「完全侵攻」の能力ないと分析 他の手段警戒
ロイター / 2024年8月30日 18時43分
8月30日、台湾国防部(国防省に相当)は中国軍に関する年次報告書を議会に提出した。中国は装備を保有していないため台湾を「完全に」侵攻する能力はないが、先進的な新兵器を投入していると指摘した。写真は26日、台湾・屏東の訓練施設で撮影した兵士(2024年 ロイター/Ann Wang)
Yimou Lee Ben Blanchard
[台北 30日 ロイター] - 台湾国防部(国防省に相当)は30日、中国軍に関する年次報告書を議会に提出した。中国は装備を保有していないため台湾を「完全に」侵攻する能力はないが、先進的な新兵器を投入していると指摘した。また外国の貨物船に対する検査など、台湾を脅かす他の選択肢もあるとの認識を示した。
中国は統合指揮作戦などの技術を磨き続けているが、「台湾海峡という自然地理環境と不十分な上陸設備・補給能力により、台湾に対する戦術と戦略はまだ制限されている」と分析した。
「(中国は)台湾への包括的な侵攻のための本格的な戦闘能力をまだ完全には保有していない」と結論付けた。
しかしH-20爆撃機や極超音速ミサイルなどの新兵器の開発を加速させ、核弾頭の数を増やし、新たな戦術を試みていると指摘した。
報告書によれば、頼清徳氏が総統に就任した直後の5月に中国が台湾周辺で軍事演習を行った際、中国海警局の艦艇が初めて台湾東海岸沖で査察訓練を行った。
演習の目的は外部との連絡を遮断し台湾を封鎖することであり、外国の貨物船に乗り込むことは、中国が取り得る選択肢の一つとの見方を示した。
中国国防省の呉謙報道官は北京での定例会見で、台湾の与党・民主進歩党が「台湾独立」の取り組みを続ける限り、平和は訪れないと述べた。「挑発すればするほど早く滅びるだろう」と語った。
頼氏は国防部で「力によって達成される平和こそが真の平和だ」と強調し、「われわれは自衛能力の向上を続け、国家として団結し、国を守る決意を世界に示す」と表明した。
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