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日経平均一時1900円安、投機買いの巻き戻し 新政権評価これから

ロイター / 2024年9月30日 13時32分

 9月29日、東京市場で日経平均は一時1900円超安に大幅下落した。写真は株価スクリーンの下を歩く男性。都内で2022年6月撮影(2024 ロイター/Issei Kato)

Noriyuki Hirata

[東京 30日 ロイター] - 30日の東京市場で日経平均は一時1900円安に大幅下落した。前週末の自民党総裁選挙で石破茂新総裁が誕生し、財政刺激・金融緩和を主張する高市早苗経済安保相の勝利を事前に織り込んでいた反動が強く出た。

いまのところ、選挙前2日間の上昇分を消した水準にとどまっており、石破新政権への評価を色濃く映しているわけではないとの見方もある。前週末には日経平均の先物が、現物終値に対して一時2000円超安に下落していたこともあり、市場では「想定した以上に底堅い」(国内証券のアナリスト)との声も聞かれる。27日に4円超急騰した円相場は一服となった。

東証33業種のうち32業種が下落し、プライム市場の9割近くの銘柄と幅広く売りが広がっている。高市銘柄の一角とされた宇宙関連で軟調な値動きが目立つ。一方、「高市トレード」下で軟調だった銀行株には買い戻しが入っている。

債券市場で新発10年国債利回り(長期金利)が前営業日比5.0ベーシスポイント(bp)上昇の0.855%と、前週末から金利上昇圧力が強まったことも金融株の買い材料とみられる。株式市場と同様にポジションが巻き戻され、国債先物の売り圧力が強まった。このほか、石破氏が主張する防災の関連や地方創生関連で物色が観測される。

選挙前の2日間に日経平均は2000円近く上昇していた。足元の下落はその巻き戻しに過ぎず、石破氏への評価を織り込む動きではないと、りそなアセットマネジメントの戸田浩司ファンドマネージャーはみている。

総選挙で大敗するようなら別だが、現段階でここから大きく株価が下方向に向かうようなら、それはそれで投機的だと指摘する。石破氏への評価を市場が本格的に織り込むのは「まだこれからで、政策の内容と世論の反応を見ながらだろう」(戸田氏)としている。

<石破新政権下の円高圧力、まだ未知数>

外為市場のドルは、1週間ぶり安値圏となる142円台で下げが一服となった。石破氏の勝利が確定した直後は146円台から大幅な円高が進行したが、「石破氏の緊縮財政政策を警戒したものではなく、実態は株高/円安を見込んだ『高市トレード』の反転だった」(三菱UFJモルガン・スタンレー証券チーフ為替ストラテジストの植野大作氏)との見方が優勢だ。

市場の一部には、石破氏が掲げる財政健全化に向けた緊縮財政や金融政策の正常化推進が、これから株安や円高を招く可能性を警戒する声もある。ただ、今後の解散総選挙や来年の参院選を控えて「選挙期間中には機動的な財政出動にも言及していた。実際にどのような政策を打ち出すかが注目される」(バークレイズ証券為替債券調査部長の門田真一郎氏)という。

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