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焦点:米株市場で巨大テックの比重低下、景気楽観論で幅広い銘柄に買い

ロイター / 2024年9月30日 17時30分

 9月30日、 米株式市場で最高値を最近更新したS&P総合500種。ウオール街で2016年12月撮影(2024年 ロイター/Andrew Kelly)

Lewis Krauskopf

[ニューヨーク 30日 ロイター] - 米株式市場で最高値を最近更新したS&P総合500種。今年に入ってからは一握りの巨大テックの上昇が目立っていたが、今回は幅広い銘柄が値上がりしており、景気への楽観的な見方が反映されている。

S&P500指数は第3・四半期に5%上昇する勢いだ。ハイテク関連に加え、地方銀行や工業など、好調な経済と金利低下の恩恵を受ける銘柄もにぎわっている。同四半期には構成銘柄の60%以上が指数をアウトパフォーム。この割合は上半期には25%前後だった。

このため構成銘柄の比率が均等になっているS&P500イコールウエート指数は同四半期に9%上昇。エヌビディアやアップルといったメガキャップ(超大型株)のウエートが大きい原指数をアウトパフォームしている。

投資家の間では、市場を支えているテック株が落ち込めばすぐに市場全体に影響するとの懸念があったため、幅広い株価上昇は心強い兆候との見方が広がっている。

チャールズ・シュワブのシニア投資ストラテジスト、ケビン・ゴードン氏は「メガキャップの貢献がそれほど大きくなくても、市場の他の部分が好調であれば、それは健全な展開だ」と語った。

工業株と金融株は景気に敏感なセクターと見られているが、第3・四半期にはそれぞれ10.6%、約10%上昇している。

金利の低下は中小企業にも恩恵がある。小型株中心のラッセル2000指数は同四半期に9%近く値を上げている。

債券利回りが金利と共に低下(価格は上昇)する中、債券の代替(プロキシー)と見なされる高配当株も投資家を引き付けている。公益株と生活必需品株は第3・四半期にそれぞれ18%と8%上昇している。

ネーションワイドの投資調査担当チーフ、マーク・ハケット氏によると、こうした傾向は9月17─18日の連邦公開市場委員会(FOMC)前からあり、大幅な米利下げで加速しているという。

<試される「軟着陸」>

一方、メガキャップの影響力は全体的に弱まった。LSEGデータストリームによると、「マグニフィセント・セブン」と呼ばれるアップル、マイクロソフト、エヌビディア、アマゾン、アルファベット、メタ、テスラの超大型7銘柄がS&P500に占めるウエートは7月中旬の34%から31%に低下した。

ベーカーアべニュー・ウェルス・マネジメントのチーフストラテジスト、キング・リップ氏は「決してテックが弱気相場に入っているわけではない。しかし、ローテーション(投資対象切り替え)の兆候は間違いなく見て取れる」と話す。

この幅広いトレンドが続くには経済の強さがさらに証明される必要がある。米経済の底堅い成長という「ソフトランディング(軟着陸)」シナリオは週末の雇用統計と10月の企業決算シーズンに試されることになる。

モルガン・スタンレー・ウェルス・マネジメントのリサ・シャレット最高投資責任者(CIO)は最近のリポートで、マグニフィセント・セブンのみが軟着陸シナリオを担っているのではないと指摘。「われわれは軟着陸に向けた『証拠待ち』の段階にいる」との認識を示した。

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