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訂正-アングル:業績明暗に素直な株価反応、物色の二極化が鮮明に

ロイター / 2020年7月30日 17時8分

 7月30日、企業の決算発表が本格化する中、これまでのところ株価反応は業績の明暗を素直に反映した動きとなっている。写真は都内で昨年12月撮影(2020年 ロイター/KIM KYUNG-HOON)

水野文也

[東京 30日 ロイター] - 企業の決算発表が本格化する中、これまでのところ株価反応は業績の明暗を素直に反映した動きとなっている。業績が悪くても先行きの回復期待で買われるという銘柄は乏しく、新型コロナウイルスの感染拡大で業績が悪化していれば売りが強まる状況だ。一方、業績堅調な銘柄には買いが集中。今後、物色の二極化が一段と鮮明になるとの見方が多い。

株式市場では、これまで空前の景気対策や金融緩和を背景に、コロナ禍が落ち着いた後の業績回復を先取りする動きがあった。しかし「国内の感染が拡大し、再び経済活動が制限される可能性が高まると、相場に大きく影響することになる」(野村証券・投資情報部投資情報二課の神谷和男氏)との懸念が深刻化。業績への悪影響が大きい銘柄を見切り売りする動きが目立っている。

それを象徴したのが、29日に大幅減益を発表した東京ガス<9531.T>だ。朝方は年初来高値を更新していたが、後場の立ち会い中に決算が発表された後に、大きく売り込まれた。岡地証券・投資情報室長の森裕恭氏は「ディフェンシブ銘柄のイメージが強かっただけに失望感も大きく、決算が悪いものはロスカットする動きを示した。今後もこうしたケースが増えるだろう」と指摘する。

このほか、大幅減益を予想した企業では、キヤノン<7751.T>が19年ぶりの安値水準まで下落。30日の東京市場でも、前日に下方修正した花王<4452.T>が急落したほか、大幅赤字を発表した三越伊勢丹ホールディングス<3099.T>が過去最安値を割り込むなど、実体悪が確認された企業に対して、マーケットは厳しい態度を示している。

一方、コロナ禍の中でも業績が堅調な銘柄は買われている。決算発表をはさんで9連騰を記録した日本電産<6594.T>のほか、相場をリードしてきた東京エレクトロン<8035.T>も好決算が材料出尽くしとはならずに堅調を持続。30日は、野村ホールディングス<8604.T>が急反発した。

こうした物色動向について市場では「売り注文のロットをみると、主力どころで決算内容が悪かった銘柄は、国内外の機関投資家が処分売りに動いているとみられる。今後はその資金が内容の良い銘柄に振り向けられる可能性が高い」(国内証券)との見方が出ている。

SMBC日興証券がまとめた東証1部3月期決算企業の集計数値によると、29日時点でTOPIX採用銘柄1462社中、業績(訂正)を開示した企業127社の営業利益は前年比88.2%減。楽観できる状況ではないが、空前の金融緩和で生じた余剰資金は、いずれ株式市場に向かうとの見方は少なくない。

決算発表はまだ始まったばかりだが、市場では「マーケットに滞留する余剰資金は、業績上向きが期待できる銘柄に集中。結果として、物色の二極化が一段と進むことになる」(別の国内証券)との声が一段と強まっている。

*本文7段落目の「業績見通し」を「業績」に訂正しました。

(編集:伊賀大記、内田慎一)

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