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レイセオンとロッキードが日本で再び火花、陸上イージス代替巡り

ロイター / 2020年7月30日 18時14分

 7月30日、日本政府が陸上配備型迎撃ミサイルシステム、イージス・アショアの配備手続きを停止したことを受け、代替案を巡って米軍事大手レイセオンとロッキード・マーチンが火花を散らしている。写真はイージス・アショアの迎撃試験2015年10月、ハワイのカウアイ島で撮影(2020年 米ミサイル防衛局提供)

Tim Kelly

[東京 30日 ロイター] - 日本政府が陸上配備型迎撃ミサイルシステム、イージス・アショアの配備手続きを停止したことを受け、米軍事大手レイセオン が代替案の売り込みに動いている。同社は2年前、イージス・アショア用レーダーの選定で米ロッキード・マーチン に敗れており、複数の関係者によると、防衛政策に影響力のある日本の議員らに働きかけを強めている。

レイセオンは、海上自衛隊のイージス艦「あたご」を改修し、最新型レーダー「SPY6」を搭載することを提案。これなら2025年までに配備可能だという。その後にSPY6を搭載したイージス艦を新造することを提案している。

米海軍はすでに同様の改修を進めており、コストを抑え、配備する時間も短縮できるとしている。レイセオンの営業活動を直接知る関係者は、「ゲームは進行中だ」と語った。

日本は2017年にイージス・アショアを国内2カ所に配備することを決定。飛来してくるミサイルを補足するレーダーに、ロッキードの「SPY7」を採用した。しかし6月、発射した迎撃ミサイルのブースターを安全な場所に落下させられないとして、河野太郎防衛相がシステム全体の配備手続き停止を発表した。

ロッキードはこれを受け、レーダーを分離し、地上の他の場所や艦艇に配備することなどを日本側に提案している。しかし、既存の艦艇を利用すれば他の任務が手薄になる、新たに建造するには費用がかかる、といった批判がある。

与党・自民党は、イージス・アショア配備手続き停止後の選択肢を検討。31日に党国防部会の了承を得て、来週にも政府に提言する。レイセオンとロッキードにとっては、議論をリードする防衛相経験者らの支持を得ることが重要性を増している。

関係者の1人によると、政治的な混乱を避けるために両方のレーダーを購入し、イージス艦にレイセオンのSPY6を、地上に早期警戒用レーダーの一部としてSPY7を配備する選択肢もあるという。

ロッキードはロイターの問い合わせに対し、同社のSPY7は艦艇に搭載可能と回答。まだ開発中で実績のないレーダーという懸念が一部であることに対し、能力に問題はなく、「世界で最も先進的なレーダーであり、日本の安全保障のニーズに合致している」とした。

一方のレイセオンは、米艦50隻にSPY6を配備予定で、「すでに生産が始まっているレーダーの中で最も先進的なレーダー技術だ」とした。

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