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海面上昇の影響、アジア・赤道地域でより深刻に=研究

ロイター / 2021年6月30日 16時0分

気候変動による海面上昇で発生する沿岸部浸水は赤道諸国で特に多くなるとの研究結果が、科学誌ネイチャー・コミュニケーションズに掲載された。写真は、海面上昇と地盤沈下の影響で冠水した道路を走るトラック。2020年6月5日にインドネシア・北ジャカルタで撮影。(2021年 ロイター/Ajeng Dinar Ulfiana)

[シンガポール 29日 ロイター] - 気候変動による海面上昇で発生する沿岸部浸水は赤道諸国で特に多くなるとの研究結果が、科学誌ネイチャー・コミュニケーションズに掲載された。現実化すれば影響を受ける人の数がこれまでの推計の2倍以上になるという。

研究は、衛星から地球へのデータ信号発信により集積した土盛りのデータを採用。科学者らは海面が1メートル上昇した場合に水没する沿岸部を特定した。その結果、こうした地形の62%が赤道地域で見られ、全体の3分の1がアジアに集中していると分析した。海面の1メートル上昇は、2100年までに予想される状況という。

海面上昇は、洪水や高潮の被害拡大につながる公算が大きい。

研究によると、海面から2メートル以内の高さにある、浸水被害を受けやすい土地の総面積は100万平方キロ程度で、住民は2億6700万人。2100年にはその面積は146万平方キロに達する可能性がある。この地域における現在の住民数は4億1000万人。

世界の平均海面はすでに年間3ミリ以上上昇している上、地球温暖化による氷河や極地方の氷の融解と海面拡張で、海面上昇は加速している。

赤道地域は、低地の河口デルタ地帯が多数あるほか、勢力の強い熱帯性暴風雨が多数発生することから、特にぜい弱という。

一方、一部のアジア地域では、ジャカルタやバンコクなどの大都市で行われている帯水層からの地下水汲み上げで地盤沈下が生じ、海面上昇が助長されている。森林消失で土地の雨水吸収力が弱まることも考えられるという。

オランダの研究機関デルタレス(水資源・水環境関連独立法人研究所)とシンガポール国立大学に所属する環境科学者で研究を共同執筆したAljosja Hooijer氏は「森林消失や農業のための排水、貧弱な都市計画による地盤沈下など、人為的な要素もある」と指摘した。

2019年10月に発表された研究では、2100年までに海面上昇の影響を受ける地域の住民を1億9000万人超と推計していた。

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