ドル、通年で3年ぶり大幅安 下落続く見方=NY市場
ロイター / 2021年1月1日 7時19分
[ニューヨーク 31日 ロイター] - 2020年の外為市場では、ドルが年間で17年以来の大幅な下落を記録した。米国で新型コロナウイルス感染が拡大した3月には安全資産買いで上昇したが、米連邦準備理事会(FRB)による前例のない刺激策でその後は下落した。
ドル指数は3月に3年ぶり高値となる102.99まで上昇したが、この日は3月高値から12.65%、年間では6.77%安い89.96。
新型コロナウイルスワクチン普及に伴う世界経済見通しの改善、過去最低水準の米金利、FRBの資産買い入れ継続でドルの投資妙味が薄れた。また、追加の財政刺激策や財政・経常赤字の増加が予想され、ドルにとっては今後数年間さらなる逆風になるとみられる。
レーベンスクロフトの最高投資責任者、ケビン・ボッシャー氏は「FRBが金利をゼロに据え置き、膨れ上がったバランスシートを維持しており、今後数年はドル安がさらに進むと予想する」とし、双子の赤字は規模で他国を上回っていると述べた。
ユーロは1.2215ドルで、通年では8.97%上昇。30日には18年4月以来の高値となる1.2310ドルを付けた。
オーストラリアドルとニュージーランドドルは31日、18年4月以来の水準まで上昇。豪ドルは一時、0.7743米ドル、NZドルは0.7241米ドルを付け、通年ではそれぞれ9.76%と6.82%上げた。
ドルは対円で103.25円。年初からは4.90%下落した。今月17日には9カ月ぶり安値の102.86円を付けた。
対スウェーデンクローナでは8.2176クローナで、年間で12.09%安となった。
ビットコインはこの日、一時2万9300ドルまで上げ、年初来では300%を超える上昇となった。
米上院共和党トップのマコネル院内総務は前日、トランプ大統領が要求し、下院が可決した個人向け現金給付を600ドルから2000ドルに引き上げる法案について、上院では採決を急がないとの認識を示した。
経済指標では、週間の新規失業保険申請件数が78万7000件と、前週の80万6000件から減少。ただ、新型コロナウイルス危機の収束が見えない中、申請件数は高止まりが続いた。
市場は、1月5日に行われるジョージア州での2つの上院議員決選投票にも注目。共和党がどちらか1議席で勝利すれば上院の過半数を維持し、バイデン次期大統領による法案を阻止できる。
英ポンドは1.3656ドルで、通年では2.98%上昇。この日は18年5月以来となる1.3686ドルまで上げた。
ドルは対カナダドルで年間1.79%下落。この日は1米ドル=1.2755カナダドルだった。
ドル/円 NY終値 103.24/103.27
始値 103.05
高値 103.31
安値 103.01
ユーロ/ドル NY終値 1.2213/1.2217
始値 1.2273
高値 1.2287
安値 1.2211
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