アリババ、「独身の日」セールで出店者に最低価格要請 競争激化で

　１０月３１日、中国の電子商取引大手アリババ・グループが、今年の「独身の日」セールで、出店者に最低価格で販売するよう圧力をかけていることが業界関係者の話で分かった。写真は２６日、北京の地下鉄に掲示された同セールの広告ポスター（２０２３年　ロイター/Tingshu Wang）

Casey Hall　Sophie Yu

［上海　３１日　ロイター］ - 中国の電子商取引大手アリババ・グループが、今年の「独身の日」セールで、出店者に最低価格で販売するよう圧力をかけていることが業界関係者の話で分かった。

今年の「独身の日」のセールは１０月２４日から１１月１１日まで。セール開始に先立ち、アリババは８０００万点以上の商品を最安値で提供すると表明している。関係者によると、ネット販売サイト「天猫」と「淘宝」の出店者に同調を求めるのは異例という。

背景には、ネット通販の競争の激化がある。近年、中国の電子商取引業界は字節跳動（バイトダンス）傘下の抖音、ピンドゥオドゥオなどの安値販売によって様変わりした。アリババは市場シェアの縮小に歯止めを掛けようと必死のようだ。

ファッション部門のオンラインストア運営を支援するクンフ・データのジョシュ・ガードナー最高経営責任者（ＣＥＯ）によると、アリババは、出店業者に対し他のサイトで同水準ないし安い価格で販売しているのを見つけたらセール・イベントから締め出すと警告。「今年、アリババは価格について非常にアグレッシブだ」と述べた。

こうした取り組みの効果は出始めている。天猫と淘宝によると、２４日に開始した予約販売は１３００以上のブランドで最初の１時間の販売が前年比２００％以上急増した。

アリババは、２０２１年の独身の日セールの売上高を８５０億ドルだったと発表したが、それ以降は公表していない。