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ユーロ圏インフレ率、10月は約2年ぶり低水準 ECB利上げ終了か

ロイター / 2023年10月31日 23時23分

欧州連合(EU)統計局が31日発表した10月のユーロ圏消費者物価指数(HICP)上昇率(速報値)は前年比2.9%と、9月の4.3%から低下し、2021年7月以来の低水準となった。仏ニースのスーパーマーケットで昨年8月撮影。(2023年 ロイター/Eric Gaillard/File photo)

[フランクフルト 31日 ロイター] - 欧州連合(EU)統計局が31日発表した10月のユーロ圏消費者物価指数(HICP)上昇率(速報値)は前年比2.9%と、9月の4.3%から低下し、2021年7月以来の低水準となった。

エネルギー価格の下落と高金利に伴う需要後退を受けた。市場は欧州中央銀行(ECB)の利上げが終了したとの見方を強めそうだ。

インフレ率は先月から急低下し始めたが、これは前年のエネルギー価格の大幅上昇が比較する上で影響したためだ。

ECBが注視する食品・エネルギー・アルコール・たばこを除くインフレ率も4.5%から4.2%に低下し、22年7月以来の低水準となった。

全構成要素の上昇率が前月を下回った。ただ、サービス業では4.7%から4.6%と減速幅は小さく、賃金上昇の影響とみられている。

<ECB利上げ局面終了か>

EUが同日発表した第3・四半期のユーロ圏域内総生産(GDP)速報値は前期比0.1%減。前年比では0.1%増に急減速した。ロイターがまとめた市場予想は前期比0.0%、前年比0.2%増だった。

ECBは今月26日の理事会で11会合ぶりに政策金利の据え置きを決定したが、ユーロ圏経済が減速すると同時にインフレが鈍化していることは、ECBの利上げが確実に終了したことを示している可能性がある。

クインテット・プライベート・バンクのダニエレ・アントヌッチ最高投資責任者(CIO)は「インフレ鈍化と景気減速を踏まえると、(ECBの政策)金利は現在の水準でピークを付けたと考えている」とし、「ECBは来年中盤に利下げに着手する」との見方を示した。

<地政学的不確実性などが経済の重し>

ユーロ圏のインフレ率は25年までECBが目標とする2%に戻らないと予想される中、目標達成までの最後の一歩が困難になる可能性がある。ナティクシスのエコノミスト、ダーク・シューマッハー氏は「現在は需要の減退で物価上昇が抑制されているが、緩慢なプロセスになる」 との見方を示した。

エコノミストは、ユーロ圏の「浅い」景気後退(リセッション)の始まりが示されたとしながらも、ウクライナのほか、パレスチナ自治区ガザで起きている武力衝突で悪化する可能性があると指摘。

INGのエコノミスト、バート・コリン氏は「急激な景気後退は見られていないものの、経済環境は弱体化しつつある」とし、「経済と地政学情勢を巡る不確実性は払しょくされておらず、金利上昇による影響と相まって経済活動に重くのしかかる」と述べた。

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