ＮＹ市場サマリー（31日）円全面安、長期債利回り横ばい・株続伸

＜為替＞　円が全面安となり、対ユーロでは１５年ぶり、対ドルでは１年ぶりの安値に沈んだ。日銀は３１日までに開いた金融政策決定会合で、長短金利操作（イールドカーブ・コントロール）の柔軟化を決めたものの、より大きな動きを期待していた投資家の間で失望感が広がった。

ユーロ／円はは一時１５年ぶり高値の１６０．８４円に急伸。終盤の取引では１．３％高の１６０．２０円を付けた。１日としては７月下旬以来の大幅な伸びを記録した。

対ドルでは１５１．７１５円と、１年ぶりの安値を付けた。終盤、ドル／円は１．７％高の１５１．５６円と、１日としては４月下旬以来の伸びを記録する勢い。

円はポンド、スイス・フラン、豪ドルに対しても下落した。

＜債券＞　米連邦公開市場委員会（ＦＯＭＣ）の結果発表を翌日に控え、長期債利回りがほぼ横ばいで推移した。

米連邦準備理事会（ＦＲＢ）は金利を長期にわたり高水準に維持するとの観測などを背景に、米１０年債利回りはこのところ約１６年ぶりの高水準に上昇。ただ、ＦＲＢはインフレ率が再び上昇しなければ、一段の利上げは実施しないとの見方が大勢になっている。

市場では、パウエルＦＲＢ議長がＦＯＭＣ後の記者会見で、国債利回りの上昇による経済への影響と、利回り上昇がどの程度ＦＲＢの政策に影響を及ぼすかについて語るか注目されている。

終盤の取引で１０年債利回りは４．８７５％。２３日には５．０２１％と、２００７年以来の高水準を付けていた。

２年債利回りは３ベーシスポイント（ｂｐ）上昇の

５．０７１％。１９日に５．２５９％と、０６年以来の高水準を付けている。

＜株式＞　続伸して取引を終えた。米連邦公開市場委員会（ＦＯＭＣ）の政策発表を明日に控え、投資家はまちまちの企業決算を消化した。

今回のＦＯＭＣで政策金利が据え置かれるとの楽観的な見方が広がる一方、一部の企業決算は失望を誘い、地政学リスクを巡る不安も漂った。

建機大手キャタピラーは６．７％下落。第３・四半期利益が市場予想を上回ったものの、需要減速の兆候が嫌気された。バイオ製薬のアムジェンも２．８％安。一部主力薬の第３・四半期売上高が予想を下回った。

半導体大手エヌビディアは一時の安値から下げ幅を縮小したものの、それでも０．９％安で終了。米国による最新の対中輸出規制で中国からの注文キャンセルを余儀なくされる可能性があるとの報道を受けた。

＜金先物＞　対ユーロでのドル高を背景に売られ、５営業日ぶりに反落した。中心限月１２月物の清算値（終値に相当）は前日比１１．３０ドル（０．５６％）安の１オンス＝１９９４．３０ドル。金相場は月間では６．８７％高となった。

＜米原油先物＞　石油輸出国機構（ＯＰＥＣ）の産油量増加を背景に、続落した。米国産標準油種ＷＴＩの中心限月１２月物の清算値は前日比１．２９ドル（１．５７％）安の１バレル＝８１．０２ドル。これは今年８月下旬以来約２カ月ぶりの安値。１月物は１．１８ドル安の８０．５０ドル。

ドル／円　ＮＹ終値 151.67/151.70

始値 150.68

高値 151.74

安値 150.64

ユーロ／ドル　ＮＹ終値 1.0576/1.0580

始値 1.0664

高値 1.0666

安値 1.0557

米東部時間

３０年債（指標銘柄） 17時05分 85*09.00 5.0897%

前営業日終値 86*01.00 5.0350%

1０年債（指標銘柄） 17時05分 91*29.00 4.9264%

前営業日終値 92*08.50 4.8770%

５年債（指標銘柄） 17時05分 100*04.00 4.8465%

前営業日終値 100*10.00 4.8040%

２年債（指標銘柄） 17時05分 99*27.00 5.0831%

前営業日終値 99*29.63 5.0390%

終値 前日比 ％

ダウ工業株３０種 33052.87 +123.91 +0.38

前営業日終値 32928.96

ナスダック総合 12851.24 +61.76 +0.48

前営業日終値 12789.48

Ｓ＆Ｐ総合５００種 4193.80 +26.98 +0.65

前営業日終値 4166.82

ＣＯＭＥＸ金　12月限 1994.3 ‐11.3

前営業日終値 2005.6

ＣＯＭＥＸ銀　12月限 2295.2 ‐44.4

前営業日終値 2339.6

北海ブレント　12月限 87.41 ‐0.04

前営業日終値 87.45

米ＷＴＩ先物　12月限 81.02 ‐1.29

前営業日終値 82.31

ＣＲＢ商品指数 281.1549 +0.3910

前営業日終値 280.7639