韓国政府、来年の医学部入学者を1500人増加 医師不足に対処

　韓国教育省は５月３０日、来年の大学医学部への入学者を約１５００人増やして４６１０人とする方針を発表した。写真はデモ行進をする医師ら。３月３日、ソウルで撮影（２０２４年　ロイター/Kim Hong-Ji）

Hyunsu Yim

[ソウル　３０日　ロイター] - 韓国教育省は３０日、来年の大学医学部への入学者を約１５００人増やして４６１０人とする方針を発表した。尹錫悦大統領が目標として設定した５０００人をやや下回る。

政府は、入学者の増加が医師不足に対処するために必要だとし、対策を講じなければ、必要不可欠な医療サービスを維持するために必要な医師が１万５０００人不足する事態に直面すると強調した。

一方、医師を代表する団体は、これは教育の質を低下させるとともに、学生の遠隔地やあまり人気のない診療分野で勤務する意欲を高めない措置だと反論している。むしろ政府は医師の給与と労働条件の改善を優先すべきだと主張する。

推定約１万３０００人の研修医の大半が、２月下旬からストライキを実施しており、医療体制に負担となっている。その結果、医療機関は一部の患者の受け入れをやめ、緊急以外の手術を削減している状況だ。

医療従事者を代表する労働組合は、研修医に職場復帰を促すとともに、政府には韓国の将来の医療を担う研修医が納得できる正しい医療改革案を出すためにあらゆる選択肢を検討するよう求めた。