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イスラエル「ヒズボラ司令官殺害」、レバノン首都に報復攻撃

ロイター / 2024年7月31日 9時17分

イスラエル軍は、27日に起きたゴラン高原へのロケット弾攻撃の報復として、レバノンに拠点を置く親イラン武装組織ヒズボラの司令官を標的に、30日夜にレバノンの首都ベイルート南部の郊外で「的を絞った」攻撃を実施したと発表した。 写真は7月30日、イスラエルによる攻撃があったベイルート南部郊外で撮影(2024年 ロイター/Reuters TV via REUTERS)

Laila Bassam Emily Rose

[エルサレム/ベイルート/カイロ/ワシントン/モスクワ 30日 ロイター] - イスラエル軍は30日、レバノンの首都ベイルートを空爆し、同国に拠点を置く親イラン武装組織ヒズボラの司令官を殺害したと発表した。27日に起きたゴラン高原へのロケット弾攻撃の報復としている。

目撃者によると、現地時間午後7時40分ごろ、ヒズボラの拠点があるベイルート南部郊外で大きな爆発音が聞こえ、煙が上がるのが見えた。

イスラエル軍によると、殺害したのはフアド・シュクル司令官。ヒズボラ指導者ナスララ師の右腕として戦時作戦顧問を務め、27日のゴラン高原攻撃を統括したとしている。

イスラエルのガラント国防相は、今回の攻撃で「わが人民の血には代償があり、この目的のためにわが軍の手の届かない場所はないことを示した」と述べた。

周辺国の治安当局高官もシュクル司令官が空爆で負った傷が原因で死亡したと確認した。

医療関係者や治安筋によると、このほか子ども2人を含む市民3人が死亡。レバノンのテレビ局は保健省の情報として、ヒズボラの意思決定機関周辺への攻撃で3人が死亡、74人が負傷したと伝えた。

イスラエルが占領するゴラン高原へのロケット弾攻撃では、子どもを含む12人が死亡。ヒズボラは関与を否定しているが、イスラエルはヒズボラによる攻撃と主張している。

レバノンのハビブ外相はイスラエルによる攻撃を非難し、国連に苦情を申し立てる考えを示した。さらに、ヒズボラの対抗措置が事態をエスカレートさせないことを望むと述べた。

パレスチナ自治区ガザでイスラエルと戦闘を続けるイスラム組織ハマスやイエメンのフーシ派、これらの組織を支援するイラン、シリアも攻撃を非難した。

一方、米ホワイトハウスは「ヒズボラを含めイランが支援する全ての脅威」に対するイスラエルの安全保障へのコミットメントを改めて表明。その上で、外交的解決に取り組んでいると述べた。

ロシアのタス通信によると、同国外務省はイスラエルによる報復攻撃を「明白な国際法違反」と非難した。

イスラエル軍は国内の民間防衛について新たな指示は出していないとしている。現時点で追加攻撃の計画がないことを示している可能性がある。テレビ局チャンネル12は、イスラエルが全面戦争を望んでいないとする当局者の発言を伝えた。

イスラエルメディアによると、軍はヒズボラの反応次第で、ベイルート空爆によってゴラン高原攻撃への対応を終了したと見なすという。

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