資産運用大手による銀行への影響、米FDICが監督強化を提案
ロイター / 2024年7月31日 10時26分
米連邦預金保険公社(FDIC)は30日の採決で、銀行株を大量に保有するブラックロックやバンガードなどの資産運用大手が銀行経営に影響力を行使するのを防ぐため、こうした企業への監督強化を提案することを決めた。写真は2011年2月、ワシントンで撮影(2024年 ロイター/Jason Reed)
Pete Schroeder
[ワシントン 30日 ロイター] - 米連邦預金保険公社(FDIC)は30日の採決で、銀行株を大量に保有するブラックロックやバンガードなどの資産運用大手が銀行経営に影響力を行使するのを防ぐため、こうした企業への監督強化を提案することを決めた。
FDICはまた同じ目的で、「パッシビティ(受動)合意」の見直しを開始することも示唆した。法律では、銀行株を10%以上保有する株主は銀行の支配権を持っているとみなされて厳しい規制・監督対象となるが、銀行に影響力を行使しないと約束するパッシビティ合意を規制当局と結べば、そうした規制・監督を免れる。
FDICは、米連邦準備理事会(FRB)の承認が得られる限りにおいて、こうした免責事項の中から、銀行への新たな大規模投資を精査しないという項目を除外することを提案している。
インデックス投資の拡大に伴って大手資産運用会社の銀行株保有が拡大し、一部投資家からは銀行経営への影響を懸念する声が高まっている。FDIC理事のロヒット・チョプラ氏は、ブラックロックとバンガードは合計17兆ドル以上の資産を管理しており、監督を強化する必要があると述べた。
ただ、FDIC幹部からは、規制を強化すれば銀行への投資が減りかねないと懸念する声も出ている。また資産運用企業を代表する投資企業協会のエリック・パン代表は「明らかに特定できる問題が存在しないにもかかわらず、FDICが現在の枠組みの修正を提案しているのは警戒すべきことだ」と批判した。
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