政策金利0.5%「壁ではない」、経済・物価次第で追加利上げ=日銀総裁
ロイター / 2024年7月31日 18時14分
7月31日、日銀の植田総裁は、金融政策決定会合後の記者会見で、今後も経済・物価情勢が見通し通りに推移していけば追加利上げしていく方針を示し、政策金利について2006年からの前回の利上げ局面のピークである0.5%が「壁」になるとは「認識していない」と明言した(2024年 ロイター/Issei Kato)
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Kentaro Sugiyama Takahiko Wada
[東京 31日 ロイター] - 日銀の植田和男総裁は31日、金融政策決定会合後の記者会見で、今後も経済・物価情勢が見通し通りに推移していけば追加利上げしていく方針を示し、政策金利について2006年からの前回の利上げ局面のピークである0.5%が「壁」になるとは「認識していない」と明言した。
日銀はこの日の決定会合で、無担保コール翌日物金利の誘導目標をこれまでの0―0.1%程度から、0.25%程度に引き上げることを決めた。利上げはマイナス金利の解除を決めた3月以来。
植田総裁は利上げに踏み切った理由として、経済・物価がこれまで日銀が示してきた見通しにおおむね沿って推移していることを最大の理由に挙げた。為替円安で輸入物価が再び上昇に転じ、物価の上振れリスクに注意する必要があることも理由としたが、物価見通しには大きな影響を与えていないと説明した。
植田総裁は、今回の利上げは実質金利が非常に低い中での「少しの調整」に過ぎず、「強いブレーキが景気等にかかるとは考えていない」とも語った。
このタイミングでの利上げについて、先行きの急激な利上げを回避するというプラス面もあると指摘。少しずつ早めに調整しておいた方が後で楽になるとの認識を示した。
今後の金融政策運営については「経済・物価情勢に応じて引き続き政策金利を引き上げ、金融緩和の度合いを調整していく方針だ」と語った。次の利上げタイミングについては「前もって決めてパスを思い描いているわけではない」とも述べた。年内の追加利上げの可能性については「データが見通し通りに出て、ある程度の蓄積なら次のステップにいく」と述べ、排除しなかった。
決定会合前に岸田文雄首相や自民党幹部から金融政策の正常化を容認するような発言があったことについては、コメントを控えた。その上で、政府とは日頃から緊密に情報交換しており、経済・物価情勢に関する基本的な認識は共有していると強調した。
日銀はあわせて26年3月までの国債買い入れ減額計画を公表した。原則として四半期ごとに4000億円程度ずつ減額していき、26年1―3月の買い入れ額を月3兆円程度にするとした。
植田総裁は日銀の国債保有残高は買い入れを減額して行っても7―8%の減少にとどまるため、買い入れ減額に伴う金利上昇圧力は「大したものではない」と述べた。
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