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米政権のコロナワクチン計画、「詳細なお不明」と当局など懸念

ロイター / 2020年8月1日 2時51分

研究者や製薬会社が新型コロナウイルスのワクチンの開発を急ペースで進める中、米公衆衛生当局者や議員らはトランプ政権に全国的なワクチン配布に関する計画性が欠如していると警鐘を鳴らしている(2020年 ロイター/Athit Perawongmetha)

[ワシントン 31日 ロイター] - 研究者や製薬会社が新型コロナウイルスのワクチンの開発を急ペースで進める中、米公衆衛生当局者や議員らはトランプ政権に全国的なワクチン配布に関する計画性が欠如していると警鐘を鳴らしている。

新しいワクチンの製造や配布に関する資金拠出と監督は従来、連邦政府が主要な役割を担う。全米の3億3000万人に直ちに配布するワクチン数はないため、政府は投与の優先順位を決めるほか、ワクチンに懐疑的な人に対して命を救う可能性があることを伝える役割もある。

公衆衛生当局者や議員はロイターに対して、現時点では政権の誰が監督しているのか、ましてや重要な詳細について明らかでないと話す。

トランプ政権の当局者は先週、ロイターに対して、5月に発表したワクチン開発を加速する「ワープ・スピード作戦」が「極力迅速にワクチン計画と医療対策を導入することに全力を注いでいる」と述べた。

一方、米疾病対策センター(CDC)のレッドフィールド所長は7月2日に開かれた上院の公聴会で新型コロナのワクチンの開発と配布はCDCが指揮を執ると発言。「これはCDCの主要な責任だ」と語った。

公衆衛生プログラムの資金を監督する委員会を率いる共和党のブラント上院議員は、CDCが指揮を執ることを推している議員の一人だ。7月中旬に声明で「ワクチン配布に関する実績があり、全米の保健局と長年にわたる取り決めがある唯一の政府機関だ」と述べた。

米国の新型コロナによる死者数は過去5カ月で15万人を超え、世界で最多。民主党の大統領候補、バイデン氏と対抗してトランプ氏が再選を目指す大統領選を3カ月後に控え、ウイルスの脅威を甘く見たトランプ氏とその顧問らは誰がコロナ危機対応を主導するかで、なお内輪もめを続けている。

ロイター/イプソスが7月15ー21日に実施した世論調査によるとトランプ氏の新型コロナ対策を支持した人は38%にとどまった。

こうした中、ワシントン州の保健局のダニエル・ケーニグ氏は電子メールで「4月23日以来、連邦政府から音沙汰がない」と指摘。同州の保健局は同日、CDCからワクチン計画に関する予備的な指針を受け取った。

ワクチンの専門家や州・地方の公衆衛生当局は6月23日にワープ・スピード作戦に対し、最新の指針を求める書簡を送った。書簡は、2009年に起きた新型インフルエンザ「H1N1」感染拡大の際と同様に、連邦政府がワクチンの資金を出すのかどうかを州は迅速に知る必要があるとした。また、アルコール消毒綿や注射器、個人用保護具も含まれるか、ワクチンの記録やワクチン冷蔵保管はどうするか、誰が配布するかについての質問も含まれた。

書簡に署名した4機関のうちの一つである予防接種管理者協会のハナン事務局長は、今のところ正式な回答はないと言う。

これに対し、トランプ大統領は準備は整っていると述べており、30日の会見では「ワクチン、治療に関しては先を進んでいる。ワクチンが手に入った際、非常に速く配布する土台の準備はできている」と語った。

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