ＥＵ、防衛費増額ＧＤＰ比2％超で合意へ 6月ＮＡＴＯ首脳会議

　１月３０日、欧州連合（ＥＵ）のコスタ欧州理事会議長（大統領、写真）は、６月開催の北大西洋条約機構（ＮＡＴＯ）首脳会議で、ＥＵ加盟２３カ国が防衛費の対国内総生産（ＧＤＰ）比目標を現在の２％から引き上げることで合意する可能性が高いとの見通しを明らかにした。２０２４年１２月、ブリュッセルで撮影（２０２５年　ロイター/Johanna Geron）

Sergio Goncalves

［リスボン　３０日　ロイター］ - 欧州連合（ＥＵ）のコスタ欧州理事会議長（大統領）は３０日、６月開催の北大西洋条約機構（ＮＡＴＯ）首脳会議で、ＥＵ加盟２３カ国が防衛費の対国内総生産（ＧＤＰ）比目標を現在の２％から引き上げることで合意する可能性が高いとの見通しを明らかにした。

コスタ議長は２９日夜放送のポルトガル公共放送ＲＴＰのインタビューで「２％より高い目標が確実に設定されると予想している」と述べた。ただ、具体的水準については「５％に決まるのか、３％なのかは分からない。ＮＡＴＯ内の議論で決まることだ」と述べるにとどめた。

コスタ議長によると、２月３日にＥＵ非公式首脳会合が予定されており、ＥＵを離脱した英国のスターマー首相やＮＡＴＯのルッテ事務総長も出席し、防衛と安全保障への資金支出について議論を交わす。

トランプ米大統領はＮＡＴＯ加盟国に防衛費をＧＤＰ比５％の水準に引き上げるよう圧力をかけている。ただ、米国も含め、加盟国で達成している国はない。

アナリストや政府関係者はロイターの取材に対し、５％水準への増額は数十億ドル規模の追加支出が必要となることから、大半の加盟国にとって政治的、経済的に不可能と話した。