「マシンガン打線」のレジェンドが独立リーグ監督になった プロ野球・元横浜のロバート・ローズさん
47NEWS / 2024年1月10日 10時0分
プロ野球横浜(現DeNA)で「マシンガン打線」の主軸として活躍したロバート・ローズさん(56)が、独立リーグのヤマエグループ九州アジアリーグで熊本県を拠点とする火の国サラマンダーズで監督に就任した。監督業は初めてで「楽しみ。自分が本当にやりたいと願っていたこと」と胸を高鳴らせている。日本で指導者を務める意気込みや、現役時代の思い出を柔和な表情で語った。(共同通信=木村督士、児矢野雄介)
▽成功の助けに
米国のマイナーリーグで打撃コーチを務めた経験がある。日本プロ野球外国人OB選手会の仲介で火の国からのオファーが届き、快諾した。
独立リーグは日本野球機構(NPB)の12球団を目指す若者が腕を磨く場で、火の国は国内各リーグの優勝チームが争うグランドチャンピオンシップで2連覇している強豪だ。「彼らが行きたいと思うところまで導けるようにしたい。力はあるんだけども、行きたいレベルにまでちょっと届いていない選手たちに、丁寧に指導して、できる限り成功の助けとなりたい」と言葉に力を込めた。
独立リーグ・火の国サラマンダーズのロバート・ローズ新監督(右)=2023年12月5日、熊本市
▽マシンガンの中核
ローズさんは1993年に横浜に入団し、来日1年目から打率3割2分5厘、94打点をマーク。「野球は野球だからね。唯一適応しなければいけないのは文化で、家族がしっかりとケアされるようにというところだった。そこが分かれば心配はなかった」とすぐに新しい環境に順応し、日本での8年間で打率3割台を7度記録した。
98年も打率3割2分5厘、19本塁打、96打点の好成績を残し、チームの38年ぶり日本一に貢献。4番打者のローズさんを中核として打線がよくつながり、打ち出すと止まらない攻撃は「マシンガン打線」の異名を取った。当時を「皆の打撃が伝染したと思う。打席に立つ選手が打つのを見たら、切磋琢磨して自分も次に打ちたいと思う。自分たちはそれをやり続けた」と振り返った。
現役時代に最も手ごわかった投手は桑田真澄さん(巨人)だったという。「シュートがあるのに加え、相手をびびらせるような表情。そんなに大きくないはずなのにマウンドに立てば、背が高く感じられて存在感がすごかった」とたたえた。
1998年の日本シリーズ第5戦で先制の適時二塁打を放つローズさん=西武ドーム
▽権藤さんに教わったこと
98年に監督として横浜を頂点に導いたのは権藤博さんだった。「選手からベストを引き出そうとする情熱と、実際にそれができる能力があった」とその手腕に感銘を受けた。「才能の持ち主が能力を十分に発揮していないのを見たら、活を入れるタイプ。その信念は好きで理想の監督でもある」と言い、自身の指導にも生かすつもりだ。
現在DeNAで指揮を執る三浦大輔監督は当時のチームメート。98年の歓喜を最後に優勝から遠ざかっているが「(現役時代に)優勝を経験しているし、質の高いコーチ陣がいる。きっとまた優勝を勝ち取る時がくる」と太鼓判を押した。
▽日本野球を高く評価
日本の野球については「非常に質が高い。ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)でも一目瞭然」と高く評価している。このシーズンオフはオリックスの山本由伸投手、DeNAの今永昇太投手らがメジャー挑戦を決断した。「今永選手は素晴らしい投手なので、自分が今やっていることをやり続ければ成功するだろう。何かを変える必要はない。NPBから大リーグに行くときに選手が変えなければいけないことは何もない。今まで通りのことをやり続ければいい」と古巣の後輩にエールを送った。
インタビューを受けるロバート・ローズさん
投打の二刀流で今や大リーグの顔となった大谷翔平選手の活躍にも驚きはないという。「5、6年前に(米国で)世界最高の才能はと聞かれて大谷選手と答えた。その通りになっている。ここからさらに彼のような選手が出てくると思う」と日本選手がメジャーを席巻する流れは今後も続くという見方を示した。
外部リンク
- 命を突然絶たれた兄は、患者たちの「恩人」だった 大阪・北新地ビル放火殺人 遺志を継いだ妹が、2年たってやっと口に出せた「生きていてほしかった」
- トランスジェンダーの黒人女性は繁華街で突然殴られ、亡くなった アメリカで絶えぬ憎悪犯罪、残された父が語った無念【2023アメリカは今】
- 「暗闇の世界に一筋の光」性暴力に遭った女性が感激 歴史的な「刑法の性犯罪規定」改正(後編)「同意しない意思」の価値
- 税金を投入する価値ある?万博会場を歩いたら思ってもみない「声」が聞こえてきた 大屋根は「断片」、広がる更地…「国民不在の国家プロジェクト」
- なぜ韓国の高齢者自殺率は高いのか 貧困と孤独…日韓で手探りの連携
この記事に関連するニュース
-
【DeNA】大田泰示がすがすがしい表情で引退会見 08年巨人ドラ1「また違う新たなステージに向かっていくことを決断しました
スポーツ報知 / 2024年11月18日 14時59分
-
13人が電撃退団…新規球団で感じた“温度差” 39歳現役続行も、元NPB右腕が語る現在地
Full-Count / 2024年11月14日 7時20分
-
侍マシンガンで豪州撃ち キーマンはDeNA日本一トリオ 上、中、下位に桑原&牧&佐野
スポニチアネックス / 2024年11月13日 5時2分
-
「独立リーグから直接メジャーも」「ウチはソフトバンクの3軍には勝ってる」独立球団オーナーと『ドラフトキング』作者が提言する日本アマ野球の可能性
集英社オンライン / 2024年10月31日 19時0分
-
ハズレ助っ人の下馬評を覆したローズ 周囲が驚くほどバットを振って順応した【平成球界裏面史】
東スポWEB / 2024年10月27日 9時6分
ランキング
-
1侍J清宮にイチロー氏から愛の鞭「牽制は捕れよ!」 後逸イジリに決意新た「めちゃめちゃ頑張れそう」
THE ANSWER / 2024年11月23日 17時43分
-
2プレミア12で連覇狙う日本が決勝進出 台湾と決勝戦 米国がベネズエラとの激闘制す…ナイターの台湾戦待たずして
スポーツ報知 / 2024年11月23日 15時18分
-
3侍J 台湾との打ち合い制し、国際大会27連勝! プレミア12連覇へあと1勝 台湾と再戦へ
スポニチアネックス / 2024年11月23日 22時28分
-
4張本智和が中国の世界2位撃破! 激闘での決勝進出にX喝采「呼吸するの忘れた」「化け物じみてる」
THE ANSWER / 2024年11月23日 19時57分
-
5日本女子、史上最多GPファイナルに5人進出 坂本花織は浅田真央さん以来の連覇へ
スポーツ報知 / 2024年11月23日 19時28分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください