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「プロ野球90年」お笑いコンビ・サンドウィッチマンが語る楽天と歩んだ20年「世に出てイーグルスに呼ばれたかった」

47NEWS / 2024年5月29日 10時0分

「サンドウィッチマン」の伊達みきおさん(左)と富澤たけしさん=2024年3月29日、楽天モバイルパーク宮城

 発足から90年を迎えたプロ野球への思いを聞くインタビューシリーズ。2004年の球界再編で生まれた楽天は、今年が20年目のシーズン。ともに仙台出身で、楽天の「20周年アンバサダー」を務めるお笑いコンビ「サンドウィッチマン」の伊達みきおさん、富澤たけしさんが語るイーグルスへの思いとは。(聞き手 共同通信・伊藤彰彦、菊浦佑介)

 ▽がらがらだった宮城球場

 伊達 子どもの頃は東北にプロ野球チームがなかったので、どちらかというと高校野球が好きでしたね。プロ野球だと宮城県出身の選手、例えば大魔神(佐々木主浩)とか斎藤隆さんが好きでした。周りはみんな巨人ファン。アウェーの中で大洋ホエールズの「W」の帽子をかぶってました。


 富澤 僕はゲームからですね。「ファミスタ」っていうゲームから入って、実際の選手を見るようになった。ルールもゲームで覚えました。
 伊達 以前は県営宮城球場(現楽天モバイルパーク宮城)がロッテの準本拠地みたいな感じで、ロッテ対近鉄なんかをたまに見に行ったりしましたけど、まあお客さん入っていなかったですね。「珍プレー好プレー」でよく見るような、スタンドで将棋をしながらとか、カップルがキスしているとか、そういう状況でした。

 ▽憧れの先輩を直撃

 伊達 仙台商業高校出身で、ヒーローはやっぱり八重樫幸雄さん。高校の大先輩で、ドラフト1位で入った人だったのでもう神でしたね。あの打ち方は誰もがまねしましたから。テレビに出るようになる前に、当時コーチをしていた八重樫さんに球団事務所まで会いに行ったんです。「仙台から上京してお笑いをやっているサンドウィッチマンと申しますが、仙台商業の帽子をつくったんでサインください」って。「ああん?帽子こんなだっけ?」と言われて。でもサインを書いてくださって、すごくうれしかったですね。あの人、実は100本以上もホームラン打っているんですよね。


広島戦で2ランを放つヤクルト・八重樫幸雄=1987年6月、神宮

 富澤 僕はラリー・パリッシュですかね。ヤクルトは外国人選手を取るのがうまいですよね。中学の美術の時間に人を描くっていう課題で、パリッシュを描いた覚えがあります。印象に残りますよね、ワニ食うのかよ!って。

 ▽楽天に呼ばれるために

 伊達 僕らは1998年から東京にいたので、楽天創設の時はもう東京にいました。いよいよ仙台に球団ができるのかと。街の大きさとしては、政令市の中で仙台にないのはおかしいなってずっと思っていたんですけど、ドーム球場もないし、一番大きな球場は県営宮城球場だったので、ロッテが使っていた頃のイメージですよ。そこを本拠地にして球団をつくるっていうんで、最初は大丈夫かなって思いましたね。あそこでプロ野球やって何人入るんだろうって。チームができたのはめちゃくちゃうれしかったんですけど、当時僕らは世に出ている状況じゃなかったので見られないんですよね。お金がなくて衛星放送に入っていなかったし、仙台にも帰ってこられない。なんとか世に出て、楽天イーグルスに呼ばれる露出をしないと、と思っていました。
 富澤 M―1グランプリの予選に楽天のユニホームを着て出たりしていました。気付いてもらえたらいいなという思いでやっていましたね。
 伊達 2007年にM―1で優勝して08年からイーグルスのイベントに呼んでもらって、めちゃくちゃうれしかったです。始球式とかいろいろやらせていただいて、「これがしたかった」と思いました。


今季開幕戦で始球式を行った「サンドウィッチマン」の伊達みきおさん=2024年3月29日、楽天モバイルパーク宮城

 ▽復興速めた日本一

 伊達 1年目は大変でしたね。初戦は岩隈久志さんで勝ったんですけど、2戦目で大変なことになりましたからね。
 富澤 ラグビーみたいなスコア(0―26)でしたね。
 伊達 当時は寄せ集めって言われましたけど、仙台にプロ野球チームがあるということに意義がある気がしてね。これからどんどん強くなっていくんだろうなと。2011年に東日本大震災があって、(当時楽天の選手会長だった)嶋基宏さんが「見せましょう、野球の底力」「見せましょう、東北の底力を」。あれは名言ですよね。すごく涙の出るというか、みんなが奮い立つ素晴らしいコメントだったと思います。


東日本大震災後の慈善試合であいさつする楽天の嶋基宏捕手(右)=2011年4月2日、札幌ドーム

 あの2年後に日本一になったのはすごかった。しかも本拠地でジャイアンツに勝つって。日本シリーズ第7戦でマー君(田中将大)が最後を締めたのは感慨深かったです。復興のスピードを速めましたね。家で見て泣いていました。何回見返したか。今でも消せないです。
 富澤 早く底力を見せてくれよと思ってたんで。
 伊達 そう簡単にはね(笑)。東日本大震災では特に沿岸地域の被害がすごく大きかったんですけど、田舎に行けば行くほど、楽天の帽子をかぶっている子どもがいっぱい。ロケで被災地に行ったときも「何とかイーグルス優勝してくれないかな」と思っていた。たった2年で被災地はまだぐちゃぐちゃでしたから。まだ仮設の商店街とかで見ていたもんな。すごくいい日本一だったと思います。


球団初の日本一を決めて喜ぶ田中将大投手(右から2人目)ら楽天ナイン=2013年11月3日、Kスタ宮城(現楽天モバイルパーク宮城)

 ▽東北の選手を

 伊達 球団創設から20年目。やっと大人になった感じがしますね。
 富澤 成人にね。
 伊達 ここからでしょうね。僕らがやるのはイーグルスのお客さんを増やすっていうこと。各地にイーグルスファンを増やしたいなあと思います。


「サンドウィッチマン」の伊達みきおさん(左)と富澤たけしさん=2024年3月29日、仙台市で撮影

 富澤 強くないとみんな見てくれないので、常勝軍団になってほしいですね。楽天はあまり外国人選手を取るのがうまくないので、そこを何とかしてほしいですね。
 伊達 日本一になったときはAJ(アンドリュー・ジョーンズ)がいて、ケーシー・マギーがいて、そういう助っ人も大事ですよね。あと、やっぱり東北のファンは東北出身の人間を応援するんです。僕らがそうなので。なぜ銀次(現楽天アンバサダー)があんなに人気があるかというと、やっぱり岩手県出身っていうのがすごく大きい。東北には高校や大学に強いチームがたくさんあるので、そこからいっぱい選手を取ってほしいですね。

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