次の目標は「稲妻」。パリ五輪旗手・半井重幸が描くブレイキンの新時代 4位の悔しさ上回る感謝
47NEWS / 2024年9月19日 10時30分
パリ五輪のブレイキン男子で4位だった半井重幸(ダンサー名・SHIGEKIX、第一生命保険)がインタビューに応じ、日本選手団の旗手を務めた大会を振り返るとともに、今後への意気込みを語った。
―印象に残ったことは。
「踊っている瞬間は本当に楽しかった。もちろん追い求める結果はトップで、そこに対する悔しさは今なおある。でも挑んだことにまずすごく意味があり、本当にかけがえのない時間を過ごせた。自分にとって絶対に必要な挑戦と経験だった」
―メダル獲得はならなかった。
「悔しさはすごくあったが、それを大きく上回る感謝の気持ちが湧いた。やり切った自分、体への感謝、応援してくださった方々、一緒に戦ってきた皆さん、ブレイキンの魅力に触れ、大会を見てポジティブな反応を送ってくださった方々への感謝もすごくあった」
男子3位決定戦で技を繰り出す半井重幸=パリ(共同)
―初実施の競技ということで注目され、重圧は感じたか。
「当時は全然感じていなくて、いつも通り過ごしていた。何が起きても当日は絶対いい状態で迎えられるはずだという確固たる軸があり、全くぶれる感覚はなかった。ただ、今思い返すと、油断すれば呼吸することすら忘れるぐらいの張り詰めた緊張感があったと思う」
―1次リーグから3位決定戦まで1日でこなす過酷な日程を戦った。
「どうエネルギーを切らさず、ラストラウンドをファーストラウンドと見間違えてしまうような、エネルギッシュな踊りを見せたいと思っていた。味の素ビクトリープロジェクトのサポートを受けながら、バトルの間にパワーボール(おにぎり)や、ゼリー状のものをとり、胃に負担をかけないようにしながらエネルギー補給し、最後まで自分の準備したものを見せることができた」
男子3位決定戦で米国選手に敗れ、健闘をたたえ合う半井重幸=パリ(共同)
―自分らしさを表現できたか。
「少なくともブレイキンが持つ魅力である『ナンバーワンの前にオンリーワン』というところは見せられたと思う。日本選手団がたくさん活躍し、メダルも獲得した中で、僕の五輪での姿をすごく覚えてくださる方がいることはうれしいことであり、魅力をそれだけ伝えられたかなと思う」
―カルチャーとして始まったブレイキン。日本は科学的なアプローチも交えて準備を進めた。
「ブレイキンが新時代を迎えたという感覚があった。五輪競技になることで、今あるブレイキンがなくなってしまうんじゃないかとの不安の声もあった。味の素が2022年の世界選手権から海外での大会にも同行してくれて、栄養学の助言や食事のサポートをしてくれた。さらに(バトルの採点分析を行って強化につなげた)情報戦略でも、本来のブレイキンを大切にし、寄り添いながら、そこに必要な要素が肉付けされていった。全く違うものに当てはめるわけではなく、ありのままのブレイキンに新たなものが加わっていく、そういう感覚があったのが本当に良かった」
男子準決勝でカナダの選手と対戦する半井重幸(右)=パリ(共同)
―次の目標は。
「稲妻です。自分がそうであったように、ブレイキンに出合ったことで人生が、自分の生活が、心が豊かになり、生きがいや充実感が増したり、モチベーションが上がったり。そういう稲妻のようなものを一人でも多くの人に与えていきたい。プレーヤーとして活躍することも含まれているし、普及するための活動、次世代に直に教える機会を持つこと、テレビなどを通して魅力を伝えることなど、活動の範囲を広げて稲妻を走らせたい。せっかくブレイキンの新時代が幕開けした。どんどん盛り上げたい」
セーヌ川で行われたパリ五輪の開会式で、日の丸を手にする日本選手団旗手の半井重幸(中央)=パリ(ゲッティ=共同)
―4年後のロサンゼルス五輪で実施されない。
「8年後はどうなるかまだ分からない。秘めている可能性は未知数で、もしあるならば、これから始まる新時代の次の新時代をつくっていけるかもしれない。その手前の4~5年、今からの期間は、自分たちの腕の見せどころでもあり、ブレイキンの魅力を証明するチャンスだと思っている」
パリ五輪の閉会式で、日の丸を手に入場する旗手の半井重幸(右)と北口榛花=パリ郊外(共同)
―9月上旬に自身がアンバサダーを務めて小中学生対象の大会を開催。
「せっかく多くの子どもたちが夢中になってくれるのであれば、ぜひともその子たちが仲間と一緒に全力で挑む目標があった方が絶対にいい。僕自身、パリ五輪があり、挑戦があったからこそ成長できた。僕たちが機会をつくらなければという気持ちがすごく強い」
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