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「スキーへの愛を高めたい」 長野冬季オリンピックの金メダリスト、原田雅彦さんが全日本スキー連盟の新会長に就任

47NEWS / 2024年12月22日 9時30分

インタビューに応じる全日本スキー連盟の原田雅彦新会長=2024年11月20日、東京都新宿区の日本スポーツマンクラブで

 
 
 1998年長野冬季五輪のノルディックスキー・ジャンプ団体の金メダリスト、原田雅彦さん(56)が10月、全日本スキー連盟(SAJ)の会長に就任した。選手時代からの親しみのある人柄は変わらない。「スキーへの愛を少しでも高めたい。恩返しです」と意欲的に話した。(共同通信=三木寛史)

 ―歴史あるスポーツ団体のトップに。


長野オリンピックで大ジャンプを見せた原田雅彦さん=1998年2月、白馬ジャンプ競技場

 「重責だと思いますよ。私、競技しかしてこなかったですが、SAJは会員様が約7万人の大きな組織。会長と言われるとちょっとかゆい感じがします。ただ会長は今までお堅い存在だったわけですが、私は皆さんとスキーの仲間として近い関係になり、話をしたいです。言いづらいことも言っていただき、私を利用してもらい、より開かれた組織になっていけばいいと思います」

 ―2022年北京五輪で日本の18メダルのうちスキーで8個。今季は26年ミラノ・コルティナダンペッツォ五輪に向けてのシーズンとなります。


記者会見後、撮影に応じる(左から)全日本スキー連盟の原田雅彦会長、ジャンプの小林陵侑、高梨沙羅、モーグルの堀島行真、フリースタイルの藤井源=2024年11月22日、東京都内

 「ジャンプの小林陵侑(チームROY)は(来年の)世界選手権もミラノ五輪も金メダルを取る力があります。年齢的にも一番いい時期にいます。若手がもっと出てきてほしいですが、二階堂蓮(日本ビール)ですとか力を付けてきています。話題性で言えば“レジェンド”葛西紀明(土屋ホーム)もそう。女子の高梨沙羅(クラレ)と伊藤有希(土屋ホーム)にも期待しています」
 「スノーボードは次から次へ選手が出てきて、ものすごく層が厚いです。その中でも平野歩夢(TOKIOインカラミ)が技の難度をさらに高めて挑んでくるでしょう。これも金メダル候補です。アルペンの復活はスキー産業にとっても鍵になります」
 
 ―何か策は?

 「現場からは(特定種目に絞るのではなく)幅広く強化をするべきだという声が上がっています。トップ選手だけではなくジュニア選手の強化は欠かせないという声も。そのためにワールドカップ(W杯)下部大会の日本招致を積極的にしたいと考えています。お金はかかりますが、われわれが少しでも負担を減らせるように、少しでも多くの理解者を集めていきたいです」

 ―スキーの競技人口は少子化もあり減少傾向です。

 「危機を感じています。北海道に住んでいるんですが、雪とのふれあいすらも減っているというふうには思います。私は北海道スキー連盟の会長でもあるのですが、北海道では皆さん、もう一度スキーに行きましょうと働きかけています。スキーには雪と関わり、遊ぶという原点があり、その楽しさを伝えていきたいですね。そうすれば必然的に競技への道が広がると思うんです」


1998年長野大会のスキー・ジャンプ団体で金メダルを獲得し大喜びの日本ジャンプ陣。左から原田雅彦、岡部孝信、斎藤浩哉、船木和喜

 ―温暖化の影響などでスキーをする環境が悪くなっていますが。

 「雪がなければ、われわれが一番打撃を受けます。私、日本オリンピック委員会(JOC)では環境に取り組む委員でもあります。ゴミを減らすなど身近なところからスポーツ界が率先して取り組んでいきたいですね」

 ―2030年札幌五輪招致がなくなりました。

 「現場の指導者のモチベーションも下がっています。強化も普及も目標を持つことが全体のまとまりになると思います」
 「今回(の招致)は札幌市さんが先頭に立ってやっていただいたが、ちょっと任せきりになってしまいました。だから次(38年大会以降)は(行政と一緒になって)スキー界、スポーツ界が、やっぱり日本で冬季五輪をやるんだと先導していけば、国民の理解も進むのではないでしょうか」
 「スポーツに厳しい目が向けられていますが(五輪は駄目だよという空気をぬぐい去るのは)われわれが一生懸命プレーし、競技の魅力を伝えることだと思います」

 ―1994年リレハンメル五輪の団体は、ラストジャンパーの原田さんが大失敗し、日本は首位から転落して銀メダルでした。長野五輪の金メダル、2006年トリノ五輪では体重管理のミスで失格―。山あり谷ありの競技人生でしたね。


第17回リレハンメル冬季大会のジャンプ団体の2回目で失敗、うずくまる原田雅彦。日本はドイツに逆転されたが銀メダルを獲得した=1994年

 「それらを楽しみながらスポーツ人生を歩めたと思います。それで成長できたので、本当に悔いはないです。だから選手や会員様には、人生はいろいろあるんだよ、と伝えたいです。そういう思いを共有し、スキーというくくりで(谷があっても)みんなで乗り越えていきたいと思います」

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