「娘の１１年の努力が認められた」重機にはねられ亡くなった難聴の少女 将来得られたはずの収入“逸失利益”は「健常者と同じ基準」 大阪高裁が判決

　障害者の将来得られたはずの収入「逸失利益」は健常者と同じとする判決が出されました。

（井出安優香さんの母）「安優香の１１年の努力が認められたんだという気持ちになり、涙が止まりませんでした」

　難聴の障害があった井出安優香さん（当時１１歳）は２０１８年、大阪市生野区で歩道を暴走してきた重機にはねられ死亡しました。

　遺族は、運転手らを相手に損害賠償を求める訴えを起こし、１審は安優香さんの障害を理由に将来得られたはずの収入「逸失利益」を「全労働者の平均賃金の８５％」と判断し、健常者と同程度を求める遺族側が控訴しました。

　２０日の２審判決で大阪高裁は、安優香さんが「学校や両親の教育で年齢相応の学力を身につけ、高いコミュニケーション能力を有していた」ことや「聴覚障害者が働きやすい職場環境が構築されている」と説明。

　その上で、安優香さんの逸失利益は「全労働者の平均賃金」、つまり健常者と同じと判断しました。