深刻なクマによる食害…農家が電気柵の効果的な設置方法を学ぶ 秋田県鹿角市
ABS秋田放送 / 2024年6月28日 18時46分
県内では、クマに農作物が食い荒らされる食害も深刻です。
昨年度の被害額は、この10年で最も多くなりました。
その対策として、鹿角市で、電気柵の講習会が開かれ、農家などが設置の際のポイントを学びました。
鹿角市内のモモやリンゴの農家で作る協会が県と開いた講習会には、約40人が参加しました。
人の生活圏へのクマの出没が後を絶たない県内。
農作物をクマに食い荒らされる食害も深刻です。
昨年度の農作物の被害額は、分かっているだけで1億3400万円あまりにのぼり、記録が残るこの10年で最も多くなりました。
その大部分を果樹が占めていて、鹿角市でも、数多くのモモとリンゴが被害に遭っています。
去年は、例年であればクマによる食害が起きる時期ではない11月にもリンゴがクマに食い荒らされました。
食害を防ぐ有効な対策のひとつとされているのが、電気柵です。
27日は、メーカーの担当者が、電気柵の設置や管理のポイントを説明しました。
ファームエイジ 豊田一稀さん
「効果の低い電気柵をずっと張ってしまうと、もう地域で電気柵を怖がらないクマ・イノシシ・シカっていうのが増えてしまいます。そうなると、後々、後手後手に対応が回ると非常に大変なので、まず始める時にしっかり、一番最初が肝心です」
電気柵で、野生動物から農作物を守るためには、
・草刈りを徹底するなどして漏電を防ぎ、電圧を維持すること。
・動物の顔の高さにあわせて電線を張ること。
この2点が何よりも重要で、設置や管理の仕方を間違えると、その効果は大きく下がってしまうそうです。
講習会では、メーカーの担当者が、実際に電気柵を設置しながら、注意すべき点などを説明しました。
電気柵は、農地を取り囲むように、なるべく平らな場所に設置するほうが良いことなども学んだ参加者たち。
中には、クマによる食害を受けたことがあるという人もいました。
鹿角市の農家
「去年クマに荒らされたの、スイカとトウモロコシ。悔しくて今年はその場所には植えていませんよ。(電気柵を)やってみたいなと思う意欲が出ました。難しくはないような感じだから。クマ退治しなくちゃね」
妻の実家が鹿角市でリンゴ農家をしている男性
「非常にためになりましたし、これでクマの被害がなくなればいいなと本当に思いましたね」
県は今後も、クマをはじめとした野生動物から農作物を守る取り組みに、市町村と連携して力を入れていくことにしています。
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