クマのエサとなるブナの実 今年は並作の予測 東北森林管理局
ABS秋田放送 / 2024年7月4日 18時40分
林野庁東北森林管理局は県内のこの秋のブナの実が、大凶作だった去年よりは多い並作になるという予測を発表しました。
クマのエサとなるブナの実の並作予測について専門家は「去年ほどの出没は起きないと思うが、いつ出てきてもおかしくない状況に変わりはない」と警鐘を鳴らしています。
東北森林管理局は管轄している5つの県のブナの開花状況を目で見て確認し、秋の実のなり具合を予測して毎年、この時期に発表しています。
実が多い順に豊作、並作、凶作、大凶作と判断基準が設けられていて、5月から6月にかけて県内50か所で行われた調査の結果、今年は上から2番目の並作でした。
ほかの4県も豊作または並作と予測されていて、5県全てが大凶作だった去年と比べると対照的です。ただ、東北森林管理局は夏場の高温や害虫などの影響で予測よりも数が減ることもあると説明しています。
クマのエサとなるブナの実が少なかった去年は人里へのクマの出没が相次ぎ、人が襲われる被害が相次ぎました。
ツキノワグマの行動を研究する森林総合研究所東北支所の大西尚樹さんは「ブナの実が増えたからと言ってクマが人里に下りて来なくなるわけではない」と警鐘を鳴らしました。
大西尚樹さん
「昨年ほどの大量出没は起きないんじゃないかと思っています。そうは言ってもベースとして十数年近くクマの数が増えてきて分布域も広がってきています。いつクマが出てきてもおかしくないという意識を持っていただいて、日常的に注意を払っていただきたいと思います」
クマの対策にあたる県自然保護課も「今年の目撃情報はこれまでで最も多かった去年に並ぶペースで寄せられていて、引き続き警戒が必要だ」と呼びかけています
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