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【特集】支えてくれる家族や競い合える仲間と練習環境のハンデを乗り越えて…インターハイ・国スポで頂点狙う高校生スケーター

ABS秋田放送 / 2024年12月16日 17時44分

続いて冬のオリンピックの競技の一つ、スピードスケートに取り組む高校生の特集です。年明けに控えるインターハイと、国民スポーツ大会=国スポでの優勝に期待がかかる高校生スケーターを取材しました。

※取材11月23日 12月5日

今シーズンの営業が10月下旬に始まった県立スケート場。

一般の利用者のほかに、競技の技を磨いている選手たちがいます。シーズン開始とともに本格的な練習が始まるスピードスケートも、その一つです。

県内の若きスケーターたちを引っ張ってきた秋田中央高校3年の齊藤匡哉さん。

高校の東北大会では、1年生の時から1000メートル種目で2年続けて優勝し、今年は3連覇に期待が寄せられています。

中央高校 島本知克 監督

「とにかく追い込む、ということを意識してやってください。ただ一つだけ、とにかく下げるってことはちょっと注意したいよね、やっぱどうしても足きて(体が)浮いちゃうといろんなところが狂ってきちゃったりするので」

齊藤さんは、1000メートルと1500メートルの2種目に取り組んでいます。

氷の上のF1とも称されるスピードスケート。齊藤さんの1000メートルの自己ベストは1分14秒ほどです。最高速度は時速50キロ近くに達します。自らを追い込み続け、伸ばしてきたタイム。

齊藤匡哉さん

「どこまで我慢してラスト1周まで頑張れるか、みたいな感じなんで、やっぱ肺にくるってよりかは、筋肉に来るみたいな感じです。自分は。練習しすぎてるから休んでくれって島本先生に言われて、今週の月曜日、練習なくて、ここ休館日だったんで、でやることなくて高校で追いこんじゃったっていう…笑」

県内でスケート部は秋田中央高校にしかありません。競技を続けるために県外に進学する生徒も多い中、秋田で技術を高めることを選んだ齊藤さん。まわりの部員たちも幼いころからずっと一緒に練習してきた仲です。

齊藤さん

「きつそうにしてるなと思ったら、よしもう一丁いくかみたいな、頭おかしい人でしょ」

"齊藤さんと同期"長谷川太一さん

「切り替え切り替え」「負荷かけあってお互いに強くなるように」

齊藤さん

「まぁまぁ、ほぼいじわるで終わるけどね」

練習に集中できるのは家族の支えが何よりも大きいという齊藤さん。

母・真澄さん

「私が水泳やってたんで、水泳やればいいのにと思って、小さいころから通わせてたんですけど、スポっとスケートにはまってしまって」「私生活、床の人だもんね、ほとんど動かないもんね」

齊藤さん

「動きたいなって思わないと、もうほぼ床でゴロゴロしてるか」

中学生のころはなかなか記録が伸びずに悩んだといいます。

とにかく練習量を増やしたいという思いを家族も後押ししてきました。

齊藤さんは4人家族です。弟の悠斗さんもスピードスケートに取り組んでいます。

練習で疲れた体を満たすキノコたっぷりのうどん。

齊藤さん

「うめぇっす、めっちゃうまいっす」

カメラマン

「好き嫌いとかあるの?」

齊藤さん

「キノコです」

記者

「嫌いだけど」

母・真澄さん

「でも本人が食べるって言う」

県によるアスリート発掘・育成の取り組みをきっかけに小学校で競技を始めた齊藤さん。

「わか杉っ子っていうプロジェクトでやって楽しかったのがきっかけだったんですけど、その時からオリンピックで優勝するつもりで練習してるので」

母・真澄さん

「小学校の時とか中学校の時とか、高校の時もだよね、先生にね、オリンピックで優勝しますって言い続けるから」

父・龍彦さん

「まぁ本気みたいなので、まぁ笑って…」「反対もできないっていうか」

平日は毎日学校が終わった後の夕方から練習します。スケート場を使える冬場に入ってから、どれだけ早い時期に自己ベストを塗り替えられるかがシーズンの命運を分けます。

島本知克監督

「氷を押して前に進むんですけど、そのプッシュの力強さ、ダイナミックさっていうのは他の選手と比べてあるかなと思いますね」

齊藤さんは強豪の北海道や長野県の高校全国トップクラスの選手とも渡り合える実力をつけてきました。

スピードスケートのリンクは通常一周400メートルですが県立スケート場は約330メートルしかなく、十分な環境とは言えません。

しかし齊藤さんはそれを不利だとは捉えず、ひたむきに練習を重ねてきました。

とにかく追い込んで技術を磨いていくスタイルの齊藤さん。

齊藤匡哉さん

「1000メートルは全然優勝狙えると思うので、優勝目指して少しずつ調子もあげていって、去年よりももっと初期の段階からベストタイムがんがん出すことを目標として、インターハイも優勝して、国スポも優勝するのが目標です」

まずは東北大会3連覇、そして高校日本一を狙う齊藤さん。視線は、その先、世界のスケートリンクへと向かっています。

高校生スケーターの直近の大会は東北大会で、20日に始まります。

秋田県スケート連盟によりますと、日本のスピードスケートは非常にレベルが高く国内でトップクラスだと国際大会でも上位を狙えます。

全国大会で優勝してゆくゆくはその名を世界にも轟かせてほしいですね。

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