【判決】県発注の委託業務をめぐる贈収賄事件 収賄の罪に問われている元県職員の男に懲役2年6か月、執行猶予4年、追徴金250万円の有罪判決

県が発注した委託業務をめぐり、仕事を斡旋した下請け業者から見返りとして現金を受け取った収賄の罪に問われている元県職員の男の裁判です。

秋田地方裁判所は、男に懲役2年6か月、執行猶予4年、追徴金250万円の有罪判決を言い渡しました。

判決を言い渡されたのは、元県職員の三浦学被告49歳です。

起訴状などによりますと、三浦被告は、県秋田地域振興局の職員として、直接、元請け業者とやり取りをする“責任者”の立場を利用して、男鹿市の林業会社と、横手市の土木建築会社を下請け業者として斡旋し、その見返りとして、現金合わせて250万円を受け取った収賄の罪に問われています。

30日の判決公判で、秋田地方裁判所の岡田龍太郎裁判官は、「飲食などの接待を受ける一方で、立場を利用して便宜をはかる不適切な関係にあり、その癒着を継続しようとした行為に酌むべき点はない」「職務の公正に対する信頼を大きく損なったうえ、受け取った金も高額だ」と指摘しました。

一方で、「起訴内容をすべて認めて反省している」「懲戒免職処分になり、退職金を受け取れないなど、社会的制裁を受けている」と述べ、懲役2年6か月、執行猶予4年、追徴金250万円の有罪判決を言い渡しました。

■担当記者が解説 判決のポイントと県の課題は？

【進藤拓実記者の解説】

裁判では、三浦被告と、贈賄の罪で有罪判決を受けた男鹿市の林業会社の元社長の男と、横手市の土木建築会社の元役員の男との関係性も明らかになりました。

三浦被告は、13年前、2012年ごろに県南部の地域振興局に勤めていた際に、横手市内の飲食店で、土木建築会社の男と知り合っていました。

この男を通じて、2018年ごろ、男鹿市の林業会社の男とも知人関係になっています。

三浦被告は、この2人と交友を続ける中で、すべての飲食代を支払ってもらっていることに恩義を感じ、仕事を斡旋するようになったと述べました。

裁判では、三浦被告が、問われた罪のほかに、現場の責任者の立場になる前にも賄賂のやり取りがあったと話す場面もありました。

不正な癒着は長期間にわたって続いていたことが分かります。

県の、適切な人員の配置による不正を起こせないような体制づくりも今後の課題です。

なお、三浦被告は、控訴しない方針です。

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