フィッシング詐欺にあった女性「まったく疑問に思わなかった」その手口とは…そして対策は
ABS秋田放送 / 2025年2月11日 19時11分
続いては、詐欺の被害に関する特集です。まずはこちら。去年1年間の「ある実態」を示す数字です。年間の報告件数=171万8036件。こちらは、クレジットカードなどの情報を不正に入手しようという目的…いわゆる「フィッシング」目的のメールやメッセージの件数です。被害の実態を把握して注意喚起を促す民間の団体、フィッシング対策協議会がまとめたもので、統計を取り始めた2005年以降、最も多くなりました。
送られるメールやメッセージは、誰もが知っていたり利用者が多い企業や団体を騙ったりしています。団体がまとめたところ、先月は、ご覧のような企業・団体を騙るものが目立ちました。まさにその先月、カードを不正に利用された県内に住む女性に届いたメールも、物流大手を騙ったものでした。
すでによく知られつつある手口ですが、メールやメッセージの報告件数が、年々増えていることもあり、改めて注意が必要な、フィッシングによる詐欺被害の実態と対策を取材しました。
荷物の配送先の住所に誤りがあったため、再配達の手続きをするよう求めてきた、1通のメール。
物流大手を騙るこのメールを去年の年末に受け取ったのは、県中央部に住む女性です。
女性「まったく疑問に思わなかったです。メールがくる数日前に、実際のヤマト運輸さんを利用して荷物を送っていたんですね。確実に身に覚えありましたし、本文を開いても日本語的におかしいところもないし、迷惑メールフォルダにも入っていなかったので、疑わずにそのままQRコードを読み取ってしまいました」
Q:心当たりもあるし早く届けたいと「そうですね……焦りもありました」
女性に届いたメールは、実在する企業の名前を騙り、QRコードが表示されていました。そして、文末には、「迷惑メールへの注意喚起」も…
女性がQRコードから別のサイトに移動したところ、再配達には100円がかかると記載されていたことから、宛先の住所や名前のほか、支払いのためのクレジットカード情報も登録しました。
登録後、手続きを受けつけたことを知らせる画面が表示されなかったため、不審に思った女性が、カードの利用明細を確認したところ…。
女性Q:どんな内容だった「利用明細をみたら、身に覚えのない航空会社の名前と、100円と伝えられていたのに、1万円くらいの利用料が書かれてあって。そこで、不正利用されていたなと思いました」
女性が情報を登録したのは、その日の昼を過ぎたころで、この約7時間後に、不正利用の履歴がありました。支払い先は、県内の空港には就航していない国内の航空会社で、不正利用の額は、1万1000円余りでした。
不正利用と判断したカード会社が利用記録を取り消し、結果的に女性は金銭的な被害はありませんでした。
女性「連日ニュースとか新聞とかで、詐欺の被害を見聞きしていて、正直他人事のように感じていたので。今回同じようにひっかかってしまって、まさか自分がひっかかるとは思ってもみなくて。皆さんには本当に自分事として、身近に潜んでいるんだと思って気をつけてほしいなと」
クレジットカードや、パスワードなどの情報を不正に入手しようとする手口=フィッシング。
実態の把握と注意喚起を行う民間の団体=フィッシング対策協議会によりますと、去年1年間に団体に報告があった、フィッシングの件数は、171万件余りで、統計を取り始めた2005年以降、最も多くなりました。
フィッシングによるものを含む、クレジットカードの不正利用の被害額も増加傾向で、おととし=2023年の被害額は、過去最も多い、540億9000万円。去年も、9月までの時点で392億7000万円に上っていて、過去最多となった前年並みになる可能性もあります。
すぐにできる対策、そして、注意すべきことは何か?
インターネットを利用した犯罪や不正行為の対策にあたる、県警察本部の担当者は、まず何よりも注意すべきなのは、次のような点だと説明します。
県警本部・サイバー犯罪対策課・藤田輝雄次長「企業に合わせて(メールの)内容も変更されておりますので、なかなか本物か偽物か見破るのは難しいと思います。メールの中にQRコードだとか、別のサイトへの誘導ということで再配達を依頼するというボタンがあったり、URLが書かれてますので、別のサイトに誘導するということがあったら、疑っていただければと思います」
別のサイトへの移動を促してきた場合、そのメールや、メッセージから、「直接移動をしない」のが、対策の一つ。
内容の確認や手続きは、メールやメッセージからではなく、「確実に本物である」サイトから行うことが、対策の一つだと、県警の担当者は話していました。
県警本部・サイバー犯罪対策課・若松秀樹課長 「公式サイトとか公式アプリの方から内容確認する。あとは携帯電話事業者などが提供している、迷惑メールのブロックサービスを活用することも考えられます」
警察全体が、ネットを使った犯罪に精通する職員を養成し続ける中でも、手口が多様化、巧妙化しているのが現状です。
県警本部・サイバー犯罪対策課・若松秀樹課長「今の事例の場合であれば、再配達の連絡。このほかにも『本人確認』『セキュリティの確認のため』など様々な口実でメールが送信される。フィッシング行為にあっていることに気づかない…という場合があります。それほど巧妙なものになっております」
被害に遭う可能性を少しでも減らすためには。ネットが生活に欠かせない以上、「誰でも」、「いつでも」、被害に遭うおそれがあることを、改めて意識しなければなりません。
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