旧ソ時代の強制労働収容所で知られた都市、近接する中国視野に復活目指す

AFPBB News / 2020年11月22日 8時0分

ロシア極東の都市スボボドヌイで、旧ソ連建国の父ウラジーミル・レーニンの像の横で遊ぶ子どもら(2020年8月18日撮影)。(c)Dimitar DILKOFF / AFP

【AFP=時事】ロシア極東の都市スボボドヌイ(Svobodny)は何十年もの間、活気を失っていた。だが、近接する中国を視野に新たな大規模プロジェクトが開始され、息を吹き返すことが期待されている。


 旧ソ連時代、スボボドヌイにはグラグ(Gulag)と呼ばれる強制労働収容所のうち、最大級のものの本部が置かれていた。この町の道路は穴だらけで、多くの建物が荒廃し、崩壊している。


 近代的な舗装道路はほとんどなく、照明のある公共のスペースはわずか15%あまりだ。大雨で道路はしばしば冠水し、水道の水は赤茶色になることもある。


 だが最近、新たなスポーツ施設が開かれ、道路工事が始まった。これらは、2030年までにスボボドヌイを変貌させる野心的プロジェクトが始まりつつあることを示している。


 スボボドヌイのウラジーミル・コンスタンティノフ(Vladimir Konstantinov)市長は、いずれこの市を「極東で最も美しい都市」の一つにし、住民に新たな生活の質を提供したいと望んでいる。


 ウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)大統領政権は過去10年間、旧ソ連時代の市や町の再開発に多額の資金を投じており、2017年には当局がスボボドヌイ再開発のための500億ルーブル(約700億円)の計画を承認した。


■建設計画


 当局者はスボボドヌイをロシアで最も急成長した都市の一つにし、かつ中国と近接性を生かした一流の産業中心地にしたいと望んでいる。


 ロシアの欧米との緊張関係や、ロシア政府の中国政府への接近が、この計画に新たな緊急性を与えている。


 人口5万4000人の同市郊外では、2か所の大規模工場の建設が進行している。


 ロシアのエネルギー大手「ガスプロム(Gazprom)」は、中国との共同プロジェクト「シベリアの力(Power of Siberia)」の一環として、世界最大級になると自ら称するガス処理プラントを建設中だ。


 石油化学大手シブール(Sibur)は8月、アジア市場向けも視野に入れた巨大なガス・ポリマー工場の先行工事を開始した。


 スボボドヌイの人口は、ソ連崩壊前の3分の2になった。だがプロジェクトの基本計画では、新たな労働力の到来が予測されている。


 このプロジェクトに参加する都市コンサルティング大手の「ストレルカ(Strelka)KB」によると、建設のピーク時には現場労働者は数万人に上り、スボボドヌイの人口は数年で倍増する可能性があるという。


 金採掘居住区として設立されたスボボドヌイは、「バイカル・アムール強制労働収容所(Baikal Amur Collective Labour Camp)」の本部拠点として悪名をはせた。1932年に設置された同収容所には、バイカル・アムール鉄道の本線を建設した数十万人の囚人が収容された。


 スボボドヌイはその後、活発な産業の中心地となったが、1990年代初期に大半の製造工場は閉鎖された。

【翻訳編集】AFPBB News

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