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仏教を再びクールに DJスタイルで法話 韓国

AFPBB News / 2024年6月27日 18時8分

韓国ソウルで、釈迦(しゃか)の誕生を祝う行事のEDMイベントでステージに立つ「ニュジンスニム」ことユン・ソンホさん(2024年5月12日撮影)。(c)Jung Yeon-je / AFP

【AFP=時事】そり上げた頭で袈裟(けさ)を翻しながら、ユン・ソンホ(Youn Sung-ho)さん(47)が仏教の経典とZ世代向けの人生訓をエレクトロニック・ダンス・ミュージックの重低音のビートに乗せてDJスタイルで唱えると、観客は熱狂の渦に巻き込まれていった。


 コメディアンからミュージシャンに転身したユンさん。仏門に入っているわけではないが、「ニュジンスニム(NewJeansNim)」という法名を授けられている。


 宗教的な意味が込められた言葉の「ニュジン」と韓国語で「お坊さん」を意味する「スニム」で、ニュジンスニム。K-POPガールズグループの「NewJeans」とは何の関係もない。


「苦痛! 給料が上がらない。苦痛! もう月曜日が来る」「でも物事には終わりがある! 私たちには乗り越えられる!」とステージで唱えるニュジンスニムに合わせて、数百人の観客が手を振りながら踊る。大半が若者だ。




 ソウルで行われたイベントの前にAFPの取材に応じたユンさんは、「これほどの反応は予想していなかった。信じられない」と語った。


「母親は仏教徒で、私も子どもの頃から寺に通っていた。仏教は自然に身に付いた」と言う。


 人を鼓舞する歌詞は「仕事がなかった昨年、とても苦しかった時に、いつか報われる日が必ず来ると自分に言い聞かせていた言葉」だ。


■マレーシアでは物議


 多くの韓国人の間で、ユンさんの言葉は共鳴を呼んでいる。


「彼のメッセージは、疲れ切って将来に希望を持てずにいる20〜30代の心に救いを与えてくれる」と、26歳の女性は話した。ニュジンスニムを見るまでは仏教に関心はなかったという。


「彼のDJパフォーマンスを見るまで、仏教はもっと堅苦しいものだと思っていた」と付け加えた。


 イスラム教徒が多数を占め、仏教徒が少数派のマレーシアで5月上旬にパフォーマンスを行った際は、仏教徒の怒りを買い、2回目のライブは中止に追い込まれた。


 同国の青年仏教徒協会の代表はAFPの取材に対し、ニュジンスニムのパフォーマンスをめぐり、仏教徒の団体や個人から警察に通報があったと説明。


「あのようなパフォーマンスや服装は、仏教の信仰や慣習にふさわしくない」「あれが仏教の慣習だと誤解してほしくない」と話した。




■韓国の総本山は歓迎


 だが韓国仏教界の最大宗派、大韓仏教・曹渓宗(チョゲジョン、Jogye Order)側はニュジンスニムに対し、若い信徒を増やすことができるとしてDJスタイルを続けるよう奨励している。


 真愚(Jinwoo、チヌ)総務院長は、「若者は、仏教は難しくて古くさいものだと思っている」「そうした思い込みを打ち破るには、伝統に縛られ過ぎない方がいい」と話した。


 多くの先進国と同様、韓国では人口減少とともに宗教離れが進んでいる。


 ある僧侶(33)は「その最たる宗教が仏教だ」とし、「若者に仏教を広めてくれる人なら誰でも歓迎だ」とAFPに話した。


 ニュジンスニムことユンさんは、韓国で仏教人気の再燃に自身が果たしている貢献について、「私が特に何かをしたわけではないので」と謙遜する。


「僧侶の皆さんはとても心が広い。私はただ皆さんに合わせているだけ」

【翻訳編集】AFPBB News

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