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ブラックホールの「目覚め」初観測 ESO

AFPBB News / 2024年6月19日 18時6分

銀河「SDSS1335+0728」にあるブラックホールに、周囲の物質が吸い込まれて成長するガス円盤を描いた想像図。欧州南天天文台(ESO)提供(2024年6月18日入手)。(c)AFP PHOTO / European Southern Observatory / ESO/M. Kornmesser

【AFP=時事】欧州南天天文台(ESO)は18日、「眠っていた」超大質量ブラックホールが「目を覚まし」、銀河の中心部を輝かせる様子を初めて観測したと発表した。


 地球から3億光年離れたおとめ座方向にある銀河「SDSS1335+0728」は長年変化が見られなかったが、2019年後半に突然、かつてないほど明るく輝き始めた。銀河の中心には、超大質量ブラックホールがあると考えられている。


 国際天文学誌アストロノミー&アストロフィジックス(Astronomy and Astrophysics)に掲載された研究論文の筆頭執筆者を務めたESOの天文学者パウラ・サンチェス・サエス(Paula Sanchez Saez)氏は声明で「(観測史上)前例のない現象」と述べた。




 共著者のロレーナ・エルナンデス・ガルシア(Lorena Hernandez Garcia)氏は、この明るさを説明する「最も実際的な選択肢」は、「リアルタイムで観測された巨大ブラックホールの活性化」だと述べた。


 地球がある天の川銀河を含め、ほとんどの銀河の中心には超大質量ブラックホールがあると考えられているが、その重力は非常に強く、光さえも脱出できないため、直接見ることはできない。


 そのためブラックホールを観測する唯一の方法は、近づきすぎた天体など、ブラックホールに破壊された何か巨大なものが死の間際に放つ光の観測だ。


 論文の共著者で天体物理学者のクラウディオ・リッチ(Claudio Ricci)氏は「これらの巨大な怪物(ブラックホール)は、通常は眠っている」が、SDSS1335+0728では「大質量ブラックホールの目覚めを観測することができた。(ブラックホールは)突然、周囲にあるガスを食べ始め、非常に明るくなった」と説明した。


 観測データによると、このブラックホールは太陽の150万倍の質量を持つと考えられており、超大質量ブラックホールに分類される。ただし、「真のヘビー級」ともなるとその質量は太陽の10億倍を軽く超えるので、これはまだまだ小さい方だ。


 天文学者チームは、このブラックホールの活動が一時的なものなのか、長期的なものなのかを見極めるために、多くの望遠鏡によるデータを分析している。


 ガルシア氏によると「われわれの天の川銀河の超大質量ブラックホール『いて座A*(Sgr A*、いてざエー・スター)』でも同様の現象は起こり得る」という。ただ幸いにも、銀河系のブラックホールは今も眠ったままだ。

【翻訳編集】AFPBB News

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