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シンベト元諜報員が非難 イスラエルの破壊者は「ネタニヤフ首相」

AFPBB News / 2024年7月5日 20時39分

インタビューに応じるイスラエルの治安機関シンベトの元諜報員、ゴネン・ベン・イツハク氏。イスラエル中部モディインの自宅で(2024年6月22日撮影)。(c)JORGE NOVOMINSKY / AFP

【AFP=時事】イスラエルの最大都市テルアビブ(Tel Aviv)の陸橋の上で、ベンヤミン・ネタニヤフ(Benjamin Netanyahu)首相が率いる国の未来を憂える人々が、小規模の抗議集会を行っていた。


 通りがかる車はこの集団に向けてクラクションを鳴らし、陸橋の下をスクーターで通った男性は「裏切り者!」と叫んでいった。


 グループの中心人物はイスラエルの治安機関シンベト(Shin Bet)の元諜報(ちょうほう)員、ゴネン・ベン・イツハク(Gonen Ben Itzhak)氏(53)だ。


 イツハク氏はかつて、パレスチナ自治区ガザ地区(Gaza Strip)を実効支配するイスラム組織ハマス(Hamas)の共同創設者の息子を情報提供者として取り込んだこともある。




 だが今は、ネタニヤフ首相と右派連立政権に反対し、街頭で声を上げている。


 イスラエル中部モディイン(Modiin)の自宅でAFPのインタビューに応じたイツハク氏は、「ネタニヤフはイスラエル国家にとって最大の危険人物だ。私は第2次インティファーダ(反イスラエル闘争、2000~05年)のときに大物テロリストたちを逮捕した。テロリストとは何かを知っている。ネタニヤフはイスラエルを破滅に引きずり込んでいる」と述べた。


 また、多くの人がネタニヤフ首相の退陣を望む理由の一つに「非常に重要な米国との関係を破壊していること」があると指摘し、武器供給をめぐる問題でジョー・バイデン(Joe Biden)大統領に不満を表明したことを例に挙げた。




■「ハマスの王子」を協力者に


 イツハク氏は1990年代、イツハク・ラビン(Yitzhak Rabin)首相が暗殺された後にシンベトに入庁した。


 シンベト時代は、ハマスの共同創設者シェイク・ハッサン・ユセフ(Sheikh Hassan Yousef)氏の長男、モサブ・ハッサン・ユセフ(Mosab Hassan Yousef)氏の「ハンドラー(指令役)」となった。息子のモサブ氏は、ハマスのシンボルカラーにちなみ、「緑の王子」と呼ばれていた。


 彼の協力を得たイツハク氏は、パレスチナ武装勢力を追跡し、自治政府主流派ファタハ(Fatah)の指導者マルワン・バルグーティ(Marwan Barghouti)受刑者を逮捕するなどして数々の自爆テロを阻止した。


 イツハク氏は、昨年10月7日のハマスによるイスラエルへの奇襲は、ユセフ氏のような二重スパイから計画が報告されていれば防げたとし、イスラエルの安全保障当局のエリート層はハマスを見くびっていたと指摘する。

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