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トランプ氏は「神の手に守られた救世主」 暗殺未遂、個人崇拝に拍車

AFPBB News / 2024年7月17日 16時29分

米ウィスコンシン州ミルウォーキーで開催された共和党大会に出席したドナルド・トランプ前大統領(2024年7月15日撮影)。(c)Brendan SMIALOWSKI / AFP

【AFP=時事】ドナルド・トランプ(Donald Trump)前米大統領について、信奉者らは長年、米国を救うために神に選ばれたと主張してきたが、暗殺未遂事件を間一髪で生き延びて以降、トランプ氏を「救世主」とあがめる熱狂は新たな高みに達している。


 ウィスコンシン州ミルウォーキー(Milwaukee)で15日に開幕した共和党大会に参加した党員らは、トランプ氏の命が救われたのは神の介入のおかげだと口々に語った。


 銃撃後、はためく星条旗を背に血を流しながらも拳を突き上げるトランプ氏の写真も、信奉者には好ましく映った。


 扇動的な発言で知られる右派のマージョリー・テイラー・グリーン(Marjorie Taylor Greene)下院議員は「われわれが心から敬愛する男性に悪が襲い掛かった」とした上で、「神がトランプ前大統領に手を差し伸べてくれたことに感謝する」と述べた。




 マイク・ジョンソン(Mike Johnson)下院議長はニュース専門局の取材に対し、トランプ氏が耳に軽傷を負っただけで済んだのは「奇跡的な出来事」だと評した。マルコ・ルビオ(Marco Rubio)上院議員(フロリダ州選出)はX(旧ツイッター)に「神がトランプ氏を守った」と投稿した。


 トランプ氏の側近で、議会侮辱罪で服役中のスティーブ・バノン(Steve Bannon)元首席戦略官は「トランプ氏は神のよろいを着ている」と述べた。


 トランプ氏本人も自身のSNS「トゥルース・ソーシャル」に「思いも寄らない事態を防いだのは神だけだ」と投稿した。




■個人崇拝


 英エセックス大学(University of Essex)のナターシャ・リンドステット(Natasha Lindstaedt)教授(政治学)は今回の出来事について、トランプ氏とその側近が何年にもわたって周到に培ってきた個人崇拝を強調するものだとの認識を示した。


 リンドステット氏はAFPに対し、個人崇拝を推し進めた指導者には独裁者もいれば選挙で選ばれた者もいるが、目的は同じだと指摘。「人々を無批判に従わせ、超人的な資質で惑わすことだ」と語った。


 トランプ氏が自身を米国唯一の救世主だと位置づけるのは今に始まったことではないが、暗殺を免れたことでその説得力は大きく高まったという。


 保守派が好んで使うソーシャルメディアでは現在、イエス・キリスト(Jesus Christ)がトランプ氏の両肩に手を添える画像が拡散している。

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