妊娠36週で中絶 ユーチューバーの告白受け捜査 韓国

妊婦（2018年6月19日撮影、資料写真）。(c)LOIC VENANCE / AFP

【AFP＝時事】韓国警察は12日、妊娠36週で中絶手術を受けたと動画で告白したユーチューバーの女を捜査していると明らかにした。動画はネット上で怒りを呼び、保健福祉省が殺人容疑で捜査を求めていた。


　女は6月、ユーチューブに投稿した動画で、妊娠に気付くのが遅れたため、36週で中絶手術を受けたと告白した。


　動画が瞬く間に拡散したのを受け、保健省は殺人容疑で捜査を求めた。動画は既に削除されているが、スクリーンショットは今も広く出回っている。


　ソウル警察庁の担当者はAFPに対し「女と中絶手術を行った病院の院長を容疑者として取り調べた」と語った。


　警察は動画を分析して手術を行った病院を突き止め、動画がでっち上げではないことを確認した。

　聯合ニュースによると、警察は事実確認など捜査を進めており、今後容疑者が増える可能性もある。


　韓国はかつて、人工妊娠中絶を違法とし、例外は強姦や近親姦で妊娠した場合や母体の健康を著しく害する恐れがある場合などに限っていた。


　憲法裁判所は2019年、中絶禁止を関する刑法の堕胎罪関連規定は「違憲」だとの判断を下し、2020年までに改正するよう命じた。


　だが、今も改正は実現しておらず、妊娠後期の中絶に関する処罰規定はない。それにもかかわらず、警察は捜査権を主張している。

【翻訳編集】AFPBB News