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AIが道案内? 全盲のeスポーツ選手がChatGPTをテスト

AFPBB News / 2024年9月1日 12時0分

「ChatGPT」を利用してパラeスポーツのイベント会場を目指す全盲のeスポーツプレーヤー「真しろ」こと藤本昌宏さん。神奈川県川崎市で(2024年6月2日撮影)。(c)Richard A. Brooks / AFP

【AFP=時事】全盲のeスポーツプレーヤー「真しろ」さん(26)は音を頼りに対戦型格闘ゲーム「ストリート・ファイター(Street Fighter)6」の対戦相手を打ち負かす。しかし、外出時には同伴者に頼らざるを得ないことも多く、将来的には、障害者の補助として注目を浴びている人工知能(AI)によって一人旅が夢でなくなることに期待を膨らます。


「真しろ」とは藤本昌宏(Masahiro Fujimoto)さんのプレーヤーネーム 。藤本さんは、小眼球症で生まれつき目が見えない。6月、東京都内の競技場で開催されたパラeスポーツ(eパラスポーツ)のイベントに参加するための道案内役として、対話型言語AIの最新モデル「ChatGPT-4o」を試してみることにした。




「支援者や見える友人がいれば一緒にスタジアムやイベント会場へ行く。でも一緒に行けないこともある。たまには一人で行きたいなと思うこともある」と藤本さんは言う。


「だから支援を(自分のニーズに)カスタマイズできるところが、チャットの技術を使う魅力だと思う」


 米オープンAI(OpenAI)が今年リリースしたChatGPT-4oは、ユーザーとリアルタイムで会話をすることができるAIアシスタントだ。テキストや音声、画像を多言語で処理することができる。


 ChatGPTやグーグルが開発した対話型AI「ジェミニ(Gemini)」を含むAIアシスタントアプリは現在、急速に発展しており、教育や雇用など日常のあらゆる場面でアクセシビリティー(ユーザー補助)を高めるツールとして期待されている。


 イベント当日、藤本さんは小さなサルのマスコットのついた白杖(はくじょう)で点字ブロックをたどりながら、最寄りの駅を出発。GPT-4oとは、友達に話しかけるように会話をする。右耳にイヤホンを差し込んでAIの音声を聞き、左耳で車の音などに注意を向ける。


 イベント会場までの基本的な道順をAIに尋ねた後、藤本さんはもう一度問いかけた。「実は僕、全盲なんだ。目の見えない人のためにもう少し情報をくれないか」


「もちろん」とAIが答える。「ゴールに近づくと人混みの音が大きくなってくるはずだよ」


 視力のある人であれば駅から会場までの所要時間は徒歩で約20分だが、藤本さんはUターンを繰り返し、その4倍の時間を必要とした。


 途中で雨が降り始め雨脚はひどくなった。それでも、友人に助けを求め、無事会場にたどり着いた。

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