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イスラエル極右閣僚、聖地で礼拝 ユダヤ教指導者も非難

AFPBB News / 2024年8月15日 14時55分

エルサレム旧市街のアルアクサ・コンパウンドにある「岩のドーム」前で礼拝する人々(2024年8月2日撮影)。(c)HAZEM BADER / AFP

【AFP=時事】イスラエルの極右イタマル・ベングビール(Itamar Ben Gvir)国家治安相が併合した東エルサレム(East Jerusalem)にあるユダヤ教とイスラム教双方の聖地で礼拝したのを受け、同国の影響力が大きいラビ(ユダヤ教指導者)5人が14日、同地でのユダヤ教徒の礼拝は「厳しく禁じられている」と非難した。


 アルアクサ・モスク(Al-Aqsa Mosque)もあるこの場所はイスラム教第3の聖地で、パレスチナ人にとって民族的アイデンティティーの象徴となっている。一方、ユダヤ教においても「神殿の丘(Temple Mount)」と呼ばれる聖地で、紀元70年にローマ人によって破壊された古代神殿の跡地として崇拝している。敷地内での礼拝が認められているのはイスラム教徒のみで、非イスラム教徒は特定の時間帯の訪問のみを認められている。




 それにもかかわらず、ベングビール氏は13日、ユダヤ教徒3000人と共に礼拝を行い、世界中から非難を浴びた。


 これを受け、イスラエルの主要なラビ5人は共同で非難するビデオ声明を発表。


 連立与党の一角を成すユダヤ教超正統派政党系の政策決定機関のメンバーで、ラビでもあるデビッド・コーエン(David Cohen)師は、礼拝を行ったユダヤ教徒について「彼らは宗教の衣をまとった暴徒であり、緊張をあおるだけだ」と批判した。


 エルサレム旧市街のラビ、アビグドル・ネベンザール(Avigdor Nebenzahl)師は「神殿の丘への立ち入りは固く禁じられている」と述べた。


 ユダヤ教徒の立ち入り禁止は、至聖所(しせいじょ)と呼ばれる古代の神殿跡を踏み荒らすことによる冒涜行為を避けるためとされているが、ベングビール氏が信奉する宗教シオニズム運動の一部のラビたちは疑問視している。


 イスラエル首相府も13日、ベングビール氏の聖地訪問を「現状からの逸脱」だと批判した。


 1967年にイスラエルが東エルサレムを占領し、その後、国連(UN)に認められない形で一方的に併合した後に確立された慣例では、非イスラム教徒は特定の時間帯に聖地を訪れることができるが、礼拝をしたり、宗教的シンボルを掲げたりすることはできない。


 だが近年、ベングビール氏のような強硬派の宗教ナショナリストによって慣例が無視されることが増え、時にはパレスチナ人による暴力的な反応を引き起こすこともある。


 イスラエルの元首席ラビ、イツハク・ヨセフ(Yitzhak Yosef)師は、聖地で礼拝する人々は「ユダヤ人を代表していない」と述べた。


 さらに「私は世界の国々に呼び掛ける。こうした閣僚たち(ベングビール氏ら)を、ユダヤ人の代表として見なさないでほしい」「彼らはユダヤ人を代表していない。イスラエルを含む世界中のユダヤ人の大多数は神殿の丘に登らない」と語った。


 イスラム諸国、米国、欧州連合(EU)、国連はベングビール氏の行動を厳しく批判した。


 ベングビール氏は聖地で自ら撮影したビデオ声明を発表し、パレスチナ自治区ガザ地区(Gaza Strip)での紛争のいかなる停戦にも反対すると改めて表明した。

【翻訳編集】AFPBB News

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