太平洋地域の海面上昇加速に「SOS」 国連事務総長
AFPBB News / 2024年8月27日 15時53分
国連のアントニオ・グテレス事務総長。サモアの首都アピアから約60キロのラロマヌ・ビーチで。同ビーチは2009年の津波で被災した(2024年8月22日撮影)。(c)Manaui Faulalo / AFP
【AFP=時事】国連(UN)のアントニオ・グテレス(Antonio Guterres)事務総長は27日、太平洋諸島フォーラム(PIF)首脳会議(サミット)が開幕した南太平洋の島国トンガを訪問し、地球規模の気候危機に関する「SOS」を発信した。グテレス氏は、太平洋地域の海面が世界平均をはるかに上回る速さで上昇していることを示す調査結果を提示し、警鐘を鳴らした。
グテレス氏は「私はここトンガで、海面上昇についての世界的なSOS、『Save Our Seas(私たちの海を救え)』というメッセージを発信する。世界的な大惨事が太平洋に浮かぶこの楽園を危機にさらしている」と訴えた。
人口密度が低く、重工業もほとんど発展していない太平洋の島しょ国は、年間の温室効果ガス排出量の合計は世界の0.02%未満にすぎない。だが、広大な火山群島や低地のサンゴ環礁は、海岸侵食の急速な脅威にさらされている熱帯の海洋回廊に位置している。
国連の世界気象機関(WMO)が発表した最新の報告書によると、過去30年間で太平洋の一部地域では海面が約15センチ上昇している。世界平均は9.4センチだった。
キリバスやクック諸島など一部地域では、世界平均とほぼ同じか、それ以下だったが、サモアやフィジーの首都などでは3倍近い上昇が確認された。
さらに、海抜が低いツバルについて専門家は、控えめに想定しても、今後30年以内に国土がほぼ消滅する可能性があると警告している。
【翻訳編集】AFPBB News
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