韓国大統領、ディープフェイク・ポルノの「撲滅」指示

テレグラムのロゴ（2021年11月8日撮影、資料写真）。(c)Kirill KUDRYAVTSEV / AFP

【AFP＝時事】韓国で通信アプリ「テレグラム」のチャットルームで未成年の生徒・学生の性的に露骨な画像が共有されているとの報道が国民の怒りを招いたことを受け、尹錫悦（ユン・ソンニョル、Yoon Suk-yeol）大統領は27日、ディープフェイク・ポルノついて捜査・撲滅するよう指示した。


　韓国のテレビ局は先週、大学生がテレグラムで違法なチャットルームを運営し、同じ大学に通う女子学生の画像を使ったディープフェイク・ポルノを共有していたと報じた。韓国では同様の事件が相次ぎ、国民の怒りを呼んでいる。


　大統領府によると、尹氏は閣議で「最近、不特定多数の個人を標的としたディープフェイク動画が、ソーシャルメディアを通じて急速に拡散している」「被害者の多くは未成年で、加害者の大半も未成年だと特定されている」と述べた。

　尹氏は当局に対し、「こうしたデジタル性犯罪を徹底的に捜査し、撲滅する」よう指示した。


　加害者は、インスタグラムなどのソーシャルメディアに投稿されている被害者の写真を保存またはキャプチャーし、ディープフェイク・ポルノ作成に使用していたとされる。


　女性の権利活動家であり、最大野党「共に民主党」の元非常対策委員長（党代表）でもある朴志玹（パク・ジヒョン、Park Ji-hyun）氏は、政府はディープフェイク・ポルノについて「国家緊急事態」を宣言する必要があると主張した。


　朴氏はX（旧ツイッター）で、「ディープフェイクの性的虐待画像はわずか1分で作成でき、チャットルームには認証プロセスを経ることなく誰でも入室できる」と指摘。


「同様の事件は全国の中学、高校、大学で発生」しており、加害者は数十万人に上ると訴えた。

【翻訳編集】AFPBB News