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「私たちを責めないで」 越境攻撃の生存者、国連に訴え

AFPBB News / 2024年9月6日 8時29分

2023年10月7日のイスラム組織ハマスによる奇襲攻撃を受け、生還したサビーネ・タアサさん(2024年1月28日撮影)。(c)MARCO LONGARI / AFP

【AFP=時事】昨年10月7日のイスラム組織ハマス(Hamas)によるイスラエル南部への越境攻撃を生き延びたサビーネ・タアサ(Sabine Taasa)さん(48)は4日、スイス・ジュネーブの国連(UN)子どもの権利委員会で、イスラエルを戦争の責任者として非難するのをやめ、イスラエルの子どもたちに植え付けられた心の傷に焦点を当てるよう訴えた。


 タアサさんには4人の子どもがいたが、昨年の越境攻撃で17歳の長男と夫を亡くした。


 権利委員会での証言では、イスラエル南部の集落ネティブハアサラ(Netiv Haasara)にあるタアサさんの自宅をハマスが襲撃する直前に長男から電話があったと話し、その声は恐怖に震えているように聞こえたが「ママ、大丈夫だよ」と言い、心配しないようにと話していたと説明した。




 その直後に長男は殺害された。ハマス戦闘員が殺害の様子を撮影し、タアサさんも後に動画を見せられた。


「17歳の子どもの頭に向けて銃を6発も撃つのは普通ですか?」


「私たちを責めるのはやめてほしい」


 ほぼ同時刻、ハマスはタアサさんの自宅も襲撃した。


 夫のギルさん(46)は拳銃で反撃したが、ハマスが投げた手りゅう弾から子どもたちを守ろうと覆いかぶさった。


 息子2人は負傷し、最年少のシャイ(現在9歳)君は失明した。


■「私たちは犯罪者ではない」


 タアサさんの証言を前に、委員会のメンバーは、子どもの権利がパレスチナでも尊重されるようイスラエルに求めていた。


 しかし、タアサさんは委員会に対し「パレスチナ自治区ガザ地区(Gaza Strip)の子どもだけでなく、心の傷を植え付けられたイスラエルの子どもについても考えてほしい」と訴えた。


 また「私たちは犯罪者ではない」と述べ、ハマスこそが「子ども、女性、男性、高齢者を殺すテロリスト、悪魔だ」と強調した。


■「シンワルを捕まえて殺すまで幸せにはなれない」


 タアサさんは「ハマス壊滅」というイスラエル政府の目標を支持している。AFPには「私たちがこの戦争を望んだわけではない」と話した。


 イスラエル軍は3日、ハマス戦闘員8人の殺害について発表した。その中には、ネティブハアサラ攻撃の指揮官も含まれていた。指揮官の姿は、タアサさんの家で撮影されていた。


「この男を覚えている。とても醜かった」と言い、殺害されたと聞いて「非常に満足した」と話した。


「それでも(ハマス最高指導者のヤヒヤ・)シンワル(Yahya Sinwar)を捕まえて殺すまで幸せにはなれない」

【翻訳編集】AFPBB News

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