北極の温暖化、サンタクロースの故郷も雪不足
AFPBB News / 2024年11月26日 18時47分
【AFP=時事】クリスマスを1か月後に控えて準備に忙しいサンタクロースだが、北極圏にある故郷での温暖化と雪不足は心配の種となっているようだ。
フィンランドのラップランド地方にあるロバニエミは、1980年代からサンタクロースの「本当の」故郷として宣伝されてきた。しかし最近、AFPが訪れた際の気温は氷点下を大きく上回り、温度計は2度を示していた。
「気候変動は現実だということが分かる。トナカイにも、ここ北極圏の生活にも影響が出ている」と、サンタクロースとして子どもや観光客を相手に1日を過ごした男性は、疲れた足を休めながら語る。
牧畜業者によると、温暖化し予測が難しくなった冬の影響で、トナカイは主食の地衣類を掘り起こすのに苦労を強いられている。雪や氷が溶けたり凍ったりを繰り返し、そうしてできる氷の層に地衣類が埋もれてしまうからだ。
フィンランドの科学者が2022年に英科学誌ネイチャーに発表した研究によると、北極圏の温暖化は他の地域の約4倍の速さで進行している。
■サンタの郵便局
それでも、サンタクロース村の郵便局は活気に満ちていた。エルフ(小人)の赤いフードをかぶった人々は忙しくカードにスタンプを押し、手紙の山を仕分けしていた。
毎年、サンタクロースへの手紙は50万通以上届く。郵便局に20年間勤務するハイディ・ムストネンさんいわく「12月は、1日に約3万通の手紙が届くこともある」。すべての手紙が開封され、丁寧に読まれるという。
ほとんどの手紙は願い事のリストだ。子どもも大人も個人的な悩み、不安、願い、喜びをつづる。多くの封筒には絵や小さな贈り物も入っている。「今年は多くの人が平和を願っている」とムストネンさんは語った。
サンタクロース村には温かく幸せな雰囲気が満ちているが、雪が降ればもっと明るくなるのにとムストネンさんは言う。「できることなら辺り一面に雪が積もってほしい」
【翻訳編集】AFPBB News
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