デンマーク、古代のブロンズ像の頭部をトルコに返還へ
AFPBB News / 2024年11月28日 7時34分
デンマーク・コペンハーゲンのニイ・カールスベルグ・グリプトテク美術館で展示されているローマ皇帝セプティミウス・セウェルスの青銅の頭部(2023年6月29日撮影)。(c)Camille BAS-WOHLERT/AFP
【AFP=時事】デンマークの首都コペンハーゲンにあるニイ・カールスベルグ・グリプトテク美術館は26日、50年以上展示していたローマ皇帝セプティミウス・セウェルス(145年~211年)のブロンズ像の頭部をトルコに返還すると発表した。
この発表は、頭部が考古学的発掘中に略奪された像の一部だと主張するトルコとの1年半にわたる論争に終止符を打つものだ。
同美術館は「トルコによる古代の青銅像の返還要請に応じることを決定した」との声明を発表した。
セプティミウス・セウェルスの像は、ニューヨークのメトロポリタン美術館に貸し出されていた個人コレクションの一部として数十年間米国にあった。約2年前にトルコに返還されたが、頭部は欠けていた。
トルコ政府は、欠けている頭部がデンマークの首都コペンハーゲンのグリプトテク美術館で50年以上展示されていると主張。
ブロンズ像の頭部と胴体はある展覧会で同時に展示され、トルコの考古学者ジャレ・イナン氏によって調査された。
同氏の結論に基づき、トルコ大使館は2023年5月に正式にデンマークに頭部の返還を求めた。
頭部と胴体が同じ像のものだと明確に証明されてはいないが、グリプトテク美術館は頭部がブボン、現在のトルコの地中海沿岸にある歴史的地域リキアのローマ遺跡で見つかったものであると結論付けた。
「ブボンからのユニークな考古学的発見は、世界中のコレクターや美術館に違法に売られてきた」とグリプトテク美術館の館長、ゲルトルード・ヒヴィドバーグ・ハンセン氏は述べ、
「近年、特に米国のコレクションに所蔵されているこういった品の多くが返還されている」「これらの要因が、トルコからの返還要請に応じるというわれわれの決定に寄与した」と説明した。
【翻訳編集】AFPBB News
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