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K-POPファン、CDのCO2排出量削減求めて抗議運動

AFPBB News / 2024年12月20日 19時42分

韓国ソウルのショップで販売されているK-POPグループやメンバーのアルバムやグッズ(2024年11月22日撮影)。(c)ANTHONY WALLACE/AFP

【AFP=時事】K-POPファンのキム・ナヨンさんは、「推し」の同じアルバムを何枚も購入し続けていた。ジャケットが異なるバージョンが発売されるたび、それぞれのバージョンに収められているレアな自撮り写真を手に入れたいと思っていたためだ。

しかし数年が経過し、CDコレクションが自宅の棚を隙間なく埋めるようになるにつれ、環境への影響が気になり始めた。

「こうしたCDは、リサイクルがとても難しい素材で作られている」とキムさん。「生産や処分にどれだけの二酸化炭素(CO2)が排出されるのか、考えるようになった」

ポリカーボネートで作られるCDはリサイクル可能だが、有害ガスが排出されないようにする特別な処理が必要だ。



英国のキール大学が行った環境への影響調査によると、プラスチック包装を含め、CD1枚の生産につき約500グラムのCO2が発生する。

この計算に基づくと、トップK-POPグループの1週間当たりのCD売り上げでは、CO2排出量が「飛行機が地球を74周する量に相当する」とキムさんは指摘する。

■さまざまな特典

キムさんは、K-POP業界に環境への影響の責任を担ってもらうことを目指す気候保護団体「Kpop4Planet」に参加している。

2020年にインドネシアの1人のK-POPファンが始めた同グループは、音楽レーベルの本社前で抗議活動を行い、「プラスチックアルバムの罪」を改めるよう呼びかけている。

また、CD売り上げが伸び続ける中、プラスチック商品の生産や、消費をあおるさまざまなマーケティング手法に歯止めをかけるよう求める署名運動を行っている。

K-POPの2023年のCD売り上げは、初めて1億枚の大台を突破し、前年比50%増となる1億1500万枚超に達した。

大半のファンは、ストリーミング配信サービスで音楽を楽しんでいるが、それでもK-POPファンは、音楽レーベルのマーケティングにのせられてCDを購入し続けているとキムさんは言う。

レーベル側は、ファンにたくさんのCDを購入してもらう目的で、アルバムに限定版の「フォトカード」やアイドルとビデオ通話ができる抽選特典などを付けたプロモーションを展開している。


■搾取的なマーケティング

アルバムは、異なるジャケットのバージョンで複数リリースされることもある。

「こうした(販売)手法を私たちは搾取的なマーケティングと呼んでいる」とキムさん。音楽レーベルは、大好きなアーティストに対するファンの気持ちを「利用」していると非難した。

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