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ネットで話題の韓国射撃選手、人気沸騰も本人は冷静 AFPインタビュー

AFPBB News / 2024年12月25日 15時36分

韓国・ソウルの射撃場でポーズを取る射撃女子のキム・イェジ(2024年10月22日撮影)。(c)Jung Yeon-je/ AFP

【AFP=時事】今夏のパリ五輪で銀メダルを獲得した韓国の射撃選手キム・イェジ(32)。12歳で競技と出会ったときには、銃を持ち上げることもできなかったが、今ではインターネットで最も有名な射撃選手になっている。

パリ五輪の女子10メートルエアピストルで2位に入ったキムは、クールな立ち居振る舞いがネット上で大きな人気を博している。

本人によれば、射撃を始めたのはたまたまで、中学校の先生からやってみないかと誘われたときも、最初は手を挙げなかったという。それでも、なぜか選ばれて挑戦してみると、小柄で銃を構えられなかったにもかかわらず、競技のとりこになった。「かっこいいと思った」とキムは語る。

両親は射撃を始めることに大反対だったが、それでも「3日間、ご飯も食べずにやらせてほしいと泣き続けた」。おかげで、二人も最後には折れた。



「勉強に対してははっきりした目標を持ていなかったけど、射撃では一番になるしかないと思えた」と振り返るキムは、以降の人生を射撃にささげ、パリ五輪では「ただ一つの目標であるメダル獲得」を達成した。

大会中は、練習の妨げになる上に「有害」だという理由で、SNSは使っていなかった。そのため最初は、自身の試合映像がSNSで大きな話題を呼んでいることを知らなかったという。しかし記者から、ブラジルで生まれた大勢のファンに向けて、ポルトガル語であいさつしてほしいと求められ、異変に気づいた。

それでもキムは「自分が特別だとは思わなかったし、その気持ちは今も変わらない」「大勢のファンを集めるメダリストはたくさんいる。私もその一人というだけ」と語る。


■五輪後は取材殺到、俳優デビューも


キムが一躍注目を集めることになったのは、全身黒のウエアにキャップを後ろ向きにかぶり、射撃用めがねをかけてピストルを撃つ動画。世界記録を更新してもほとんど感情を表さず、観客が拍手する中で、静かに得点に目をやる。

この映像は、実は5月の大会中に撮影されたものだったが、パリ五輪中にSNSで大きな話題を呼び、「主人公感」があると評判になった。実業家のイーロン・マスク氏も「演技の必要ない」アクション映画にキムを出演させるべきだと呼びかけた。

だが、インターネットで話題になった超然としたスタイルは、本人にとって自然なやり方なのだという。「性格的には、せっかちなタイプ」で、もともと集中力を欠く面があったが、視線を一点に据えるといいというアドバイスに従ったところ、集中力と落ち着きが増したのだそうだ。今では「腕はもう単なる腕ではなく、すべて銃の一部」になったという。

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