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生還した「囚人番号3006」 アサド政権下の拘束語る

AFPBB News / 2024年12月25日 19時44分

拘置所では、自白を強要され、大切な人の前で拷問される女性や子どもたちの叫び声が聞こえたという。

1か月ほどして、モハメドさんの身柄は軍の情報機関に引き渡された。ただの「番号」として扱うと言われたのはこの時だという。

そこでは、幅1.2メートル、奥行き2メートル程度の独房に放り込まれた。横たわるのが精いっぱいの狭さで、房内には電気も水もなく、唯一の光源は頭上の天窓だった。

トイレに行くときは看守たちに裸にされた。かがまされ、視線を床に向けたまま連れていかれた。

彼らはモハメドさんを処刑すると脅し「お前はヒツジみたいに喉をかき切られるぞ。それとも逆さづりにされたいか? 串刺しの方がいいか?」と罵倒し続けた。



当然、外の状況は何も分からなかった。反体制派が北部からわずか11日間で進撃し、アサド政権軍が戦車や装備を放棄して逃走したことも知らなかった。


■「息子ではないよう」

「ある夜、房から出され、廊下に並ばされた。囚人同士で縛り付けられ、14人の列が2列できた。互いの顔を見たのはこの時が初めてだった」

「死ぬんだと思った」

そのまま1時間ほど立たされ、適当な房に押し戻された。「具合が悪くてトイレに行きたいと叫んだが、誰も来なかった」

「その後、ヘリコプターが着陸し、また離陸していく音が聞こえた。(今、思うと)看守たちを撤退させていたんだと思う」

数時間後、反体制派によって監房のドアはこじ開けられ、モハメドさんたちは解放された。「戦闘員が目の前に現れた。夢かと思った」

モハメドさんが語る間、母親のファティマ・アブド・アル・ガニーさん(75)は息子の方をずっと見続けていた。

息子が逮捕されたとの連絡はなかったという。そのため、母親にとっては息子がただこつぜんと姿を消したということになってしまっていた。

赤十字国際委員会(ICRC)によると、シリアで記録された失踪事例は3万5000件を超える。

モハメドさんは家に戻ることができた。幸運だった。

「けれど、息子は変わってしまった」と母親は言う。

「彼を見ていると、まるで私の息子ではないような気がする」

またモハメドさん本人は否定しているが、悪夢にもうなされているようだと話した。

モハメドさん自身は、責任を取るべき人が「法の裁きを受けることを願っている」と述べ、「3人は特定できると確信している」と続けた。

【翻訳編集】AFPBB News

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