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ロシア科学者ら、重油除去作業で当局を異例批判

AFPBB News / 2024年12月26日 10時57分

黒海沿岸で漂着した重油の除去作業に当たる人々。ロシア非常事態省提供の動画より(2024年12月17日提供)。(c)Russian Emergencies Ministry/AFP

【AFP=時事】ロシア南部と同国が実効支配するクリミア半島を隔てるケルチ海峡で発生した重油流出事故をめぐり、ロシアの科学者は25日、自国の除去作業の装備が不十分だとして批判した。ロシアでは、公の場での当局批判は異例。

今月15日、ロシアの石油タンカー「ボルゴネフト212」と「ボルゴネフト239」はケルチ海峡で荒天に見舞われ、1隻は沈没、1隻は座礁した。

ロシア当局によれば、2隻は計9200トンの重油を積載しており、うち約40%が海に流出した可能性がある。

ウラジーミル・プーチン大統領は先週、この事故を「環境災害」と呼んだ。

ボランティア数千人が動員され、付近の海岸で重油まみれの砂の除去作業に当たっている。



だが、科学者らはボランティアの人々が必要な装備を備えていないと指摘している。

ロシア科学アカデミー水問題研究所の科学部門のトップで、1990年代には天然資源環境相も務めたビクトル・ダニロフダニリャン氏は記者会見で、「ブルドーザーもトラックもない。特に重機がない」と説明。

ボランティアの人々は「シャベルとプラスチック袋」しか持っておらず、「プラスチック袋はすぐに破けてしまう」とし、「袋の回収を待つ間に嵐が来て結局また海に流されてしまう。考えられないことだ!」と続けた。

天然資源環境相は23日、最大で20万トンの砂が重油で汚染された可能性があると述べた。

クラスノダール地方のベニアミン・コンドラチェフ知事は25日、これまでに汚染された砂3万トン近くを回収したと述べた。

ロシア自然科学アカデミーのセルゲイ・オスタ教授は、重油は間もなくクリミア半島の海岸に到達する可能性があると指摘。「汚染は発生しないという幻想を抱くべきではない」と警告し、迅速な対応を求めた。

イルカ救助センター「デルファ」によれば、この重油流出事故でイルカ21頭が死んだ可能性があるが、死因を確認するにはさらなる検査が必要だという。

【翻訳編集】AFPBB News

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