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【解説】アゼルバイジャン航空機墜落、これまでに判明している情報

AFPBB News / 2024年12月27日 17時51分

カザフスタン西部アクタウ近郊で、アゼルバイジャン航空の旅客機が墜落した現場で作業する当局者(2024年12月25日撮影)。(c)Issa Tazhenbayev/AFP

【AFP=時事】中央アジア・カザフスタン西部で25日に起きた、搭乗者67人中38人が死亡したアゼルバイジャン航空の旅客機墜落をめぐっては、いまだに原因がわかっていない。

専門家らは残骸に見られる「多数の破片による損傷」から、旅客機はロシアの防空システムによって誤射された可能性を指摘している。一方、ロシアおよびカザフスタンの当局は「仮説」や「臆測」を避け、調査完了を待つよう求めている。

以下、現時点で判明している事柄をまとめた。

■ロシアの防空システム

軍事・航空専門家らは、アゼルバイジャン航空のエンブラエル190型機は、ロシアの防空システムによって撃墜された可能性があるとみている。

同機の飛行予定ルートは、アゼルバイジャンの首都バクーからロシア南部チェチェン共和国のグロズヌイまでだった。



この地域ではここ数週間、ウクライナのドローンによる攻撃が報告されており、25日には、チェチェンに近いロシア南部イングーシ共和国と北オセチア共和国でもドローン攻撃が報告されていた。

フランス航空事故調査局(BEA)の元局長ジャンポール・トロアデック氏は「機体に見られる痕跡は、ミサイルによって撃墜された可能性が高いことを示している」とAFPに語った。

またロシアの軍事専門家ユーリ・ポドリャカ氏は、旅客機の残骸に見られる穴が「対空ミサイルシステム」による損傷と類似しているとし、「すべてがそれを示している」と記した。

匿名を条件に話したBEAの別の元専門家も、残骸に「多数の破片による損傷」が見られると指摘。2014年にウクライナ東部で親ロシア派武装勢力に地対空ミサイルで撃墜され、298人が死亡したマレーシア航空MH17便を「ほうふつとさせる」損傷だと述べた。

■鳥の群れ

ロシア大統領府(クレムリン)のドミトリー・ペスコフ報道官は「調査の結論が出る前に、仮説を立てるのは間違いだ」と指摘。ロシアの主要な同盟国であるカザフスタンの当局も「臆測」を避けるよう警告している。

アゼルバイジャン航空は当初、墜落機は鳥の群れを通過したと発表したが、後に撤回した。

ロシアの航空当局も鳥が原因となった可能性を示唆したが、BEAの元専門家は、鳥との衝突が「飛行を妨げることはない」として、その可能性は低いと述べた。

カザフスタン保健省の地域支部は「機内での缶の爆発」に言及したが、詳細を明らかにしていない。


■予定ルートからの逸脱

同機はカスピ海西岸の飛行予定ルートから大きく外れ、東岸のアクタウで墜落した。なぜルートを外れたのかは不明だ。

BEA元局長のトロアデック氏は、このルートが「大きな謎」だとした。

ロシアの航空当局は25日、「機内の緊急事態により、パイロットが別の空港に向かうことを決定し、アクタウが選ばれた」と述べた。

スウェーデンの航路追跡サイト「フライトレーダー24」は、同機は「重大なGPS干渉」を受け、数分間にわたって「位置データ送信を停止した」としている。

■犠牲者

墜落機には乗客62人と乗員5人が搭乗していた。カザフスタン運輸省によれば、乗客の国籍の内訳は、アゼルバイジャン37人、カザフスタン6人、キルギス3人、ロシア16人だった。乗員は全員アゼルバイジャン国籍だった。

カザフスタンは死者38人、生存者は子ども3人を含む29人と発表した。

ロシア国営タス通信は、生存者のうち14人がアゼルバイジャンへ、子どもを含むロシア人の生存者9人がロシアへ移動したと報じた。

【翻訳編集】AFPBB News

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