ファラージ氏、英保守党党首に謝罪要求 党員数めぐり論争

党員数10万人突破と書かれたボードを手にする英国の新興右派政党「リフォームUK」のメンバー。（左から）アンドレア・ジェンキンス氏、ナイジェル・ファラージ党首、ジア・ユスフ会長（2024年11月28日撮影）。（c）BENJAMIN CREMEL/AFP

【AFP＝時事】反移民を掲げる英国の新興右派政党「リフォームUK」のナイジェル・ファラージ党首は27日、同党が党員数で中道右派の最大野党・保守党を上回ったとの発表を嘲笑した同党のケミ・ベーデノック党首に対し、謝罪を求めた。


英国の欧州連合（EU）からの離脱（ブレグジット）を主導したファラージ氏は26日、リフォームUKが党員数で保守党を上回ったと発表。「歴史的な瞬間」とたたえ、リフォームUKこそ「真の野党だ」と主張した。


11月に保守党党首に就任したばかりのベーデノック氏は即座に、ファラージ氏の主張を「いんちき」だと否定。


リフォームUKのウェブサイトにある党員数を示す「デジタルカウンター」は「自動的に増加するようにプログラムされている」と主張した。

これに対しファラージ氏は、「きのう私に対してなされた詐欺・不正行為との非難は恥ずべきものだ」と反論。


リフォームUKは「完全な透明性を確保し、データが正確であることを確認するため」、複数の英国メディアに「システムを公開」していると説明した。


X（旧ツイッターで）、「ケミ・ベーデノック氏に謝罪を求める」と述べた。


27日夜までに、リフォームUKのウェブサイトのデジタルカウンターの党員数は約14万3000人となった。ここ数日間で1万人以上増加している。


保守党は11月、党員数を13万1680人と発表。与党・労働党の党員数は1年前の時点で約37万人だった。


リフォームUKは2018年、ファラージ氏によってブレグジット党として設立され、2021年に改名された。7月の下院総選挙の得票率は、労働党の約34％、保守党の24％弱に次ぐ14％余りだった。


だが、英国は小選挙区制を採用しているため、リフォームUKの獲得議席は650議席中5議席にとどまった。労働党は400議席以上、保守党は121議席を獲得した。


しかし最新の世論調査では、現在の政党支持率は3党共に20％余りとなっており、労働党と保守党が僅差でリードしている。


英国の政党に党員数を公開する法的義務はなく、監視の目もほとんどないため、党員数を確認するのは困難だ。


2022年の議会報告資料にも「政党間の党員数の比較は困難なことがある」「党員資格の定義も統一されておらず、党員数を監視する方法や機関も確立されていない」と記されている。


リフォームUKのウェブサイトによれば、外国に居住していても25ポンド（約4950円）を払えば党員になれるとみられる。


一方、保守党の場合、英国在住が条件のようだ。


AFPはリフォームUKにコメントを求めたが、回答は得られなかった。

【翻訳編集】AFPBB News