2024年は「極端現象」と記録的猛暑の年 世界気象機関

洪水の被害を受けたスペイン東部バレンシア南部で救助・捜索活動を行うフランスの消防士（2024年11月14日撮影）。（c）Jose Jordan/AFP

【AFP＝時事】国連の世界気象機関（WMO）は30日、2024年は気候変動により「極端な現象」と記録的な猛暑が続いたとして、各国に対し「破滅への道」から引き返すよう呼び掛けた。

WMOによると、今年の世界の平均気温は観測史上最高となる見通し。また、温室効果ガスの排出量も過去最多を更新し、今後一段と気温が上昇することは確実視されている。

WMOのセレステ・サウロ事務局長は「気候変動の影響は、極端現象の発生頻度と影響の増大という形で、ほぼ毎日のように現実のものとなっている」と指摘。

「今年は記録的な豪雨と洪水が発生し、多くの国で多数の人命が失われ、すべての大陸でさまざまな地域社会に深い悲しみをもたらした」と述べた。

「つい最近ではサイクロンにより、インド洋上のフランス海外県マヨット（マホレ）で甚大な人的・経済的被害が発生」した他、「数十か国が猛暑に見舞われ、気温が50度超となる事例がたびたび確認され、山火事による壊滅的な被害も出た」としている。

WMOは11月、今年1〜9月の世界平均気温は産業革命前の1850〜1900年平均に比べて1.54度高く、昨年の上昇幅1.45度を上回ったと発表した。今年全体の平均気温が昨年を上回るのは確実とみられている。

国連のアントニオ・グテレス事務総長はこの日公表した新年メッセージで、過去10年間の気温について振り返り、「観測史上最も暑かった上位10年が、2024年を含むこの10年だ」「まさに気候の崩壊がリアルタイムで起きている」と強調。

「私たちはこの破滅への道から抜け出さなければならない。一刻の猶予もない」とし、「2025年には各国が排出量を大幅に削減して再生可能な未来への移行を支援することで、世界をより安全な道へと導かなければならない」と訴えた。

【翻訳編集】AFPBB News